はじめに
6月27日(木)、2024 NHLアワーズが開催され、各主要部門のタイトル受賞者の発表がありました。ホッケー関連の記者投票によるレギュラー・シーズンMVP=ハート・トロフィーと、選手協会投票によるMVP=テッド・リンゼイ賞が大いに注目を集めました。
この両方の賞を総取りしたのが、ネイサン・マッキノン(コロラド・アバランチ。センター、28歳)。全試合出場し、51ゴール・89アシスト、140ポイントという「個人的に」文句無しの成績を挙げ、NHL関係者全ての票をかっさらって行った感じです。
チームが優勝したわけでも、個人タイトルを獲ったわけでもないのに、受賞できたということは、それだけ選手達から脅威と思われていて、うるさ方の記者達をも納得させる活躍をしていたことになります。では、マッキノンの喜びの様子を見てみましょう。
ちなみに、
最優秀ゴールキーパーはコナー・ヘレブイック(ウィニペグ・ジェッツ)、
最優秀ディフェンダーはクイン・ヒューズ(バンクーバー・カナックス)が
それぞれ選ばれ、これも順当かにゃ。
優勝チーム、フロリダ・パンサーズから誰も選ばれていないのが驚き。
引用元:NHL.com「MacKinnon of Avalanche wins Hart Trophy as NHL MVP」
NHL関係者全てから選ばれた男
ネイサン・マッキノンは、木曜日、ラスベガスのフォンテーヌブローで開催された2024 NHLアワードで、ライターとNHLプレーヤー達の投票を独占し、ハート・トロフィーとテッド・リンゼイ賞を獲得しました。
マッキノンがハート・トロフィーのファイナリストに選ばれたのは今回が4度目で、これはプロフェッショナル・ホッケー・ライターズ協会(Professional Hockey Writers Association)によって、チームにとって最も価値のある選手に贈られるものです。
マッキノンは、2017-18シーズン、ニュージャージー・デビルズのテイラー・ホールにハートトロフィー最終選考で2位となり、2019-20シーズン、にエドモントン・オイラーズのレオン・ドライサイトルの前に再び2位となりました。
2020-21シーズン、彼はトップのオイラーズのセンターであるコナー・マクデイビッドと、2位のトロント・メープルリーフスのセンター、オーストン・マシューズに次いで、投票では3位に終わっています。
また、NHL選手協会のプレーヤー達によって投票された、リーグで最も優れた選手に毎年与えられるテッド・リンゼイ賞のファイナリストとしては3回目でした。
マッキノンは、82試合でリーグキャリアハイの140ポイント(51ゴール、89アシスト)でNHL2位の成績を収め、レギュラーシーズンを終えています。
マッキノンの談話
「スピーチの中で言ったように、僕が憧れながら育った選手たちは皆、このようなトロフィーに名前を刻まれている。その仲間入りができるなんて非現実的だよ」とマッキノンは言いました。
「まだ実感がわかないんだ。それは間違いなく特別なことさ。全ての選手達が僕を助けてくれた、多くの人に感謝しなければならないが、チームの一員になれたことは間違いなく素晴らしいことだ。
個人的な賞であることは承知しているけど、歴代の偉大な選手たちとつながっているような気もするんだ」。
レジェンド達と肩を並べたぜ!
史上最高の2人、シドニー・クロスビーとウェイン・グレツキーは、ショーの後、彼に電話をかけてきました。
「シドから電話がかかってきたし、ウェインからもあったんだ」とマッキノンは言っています。「携帯電話にウェイン・グレツキーの名前が表示されるのは、とてもクールなことさ。(テッド・リンゼイ賞のトロフィーを指差しながら)彼の名前も100回くらい見たよ。
僕にはすべての面でサポートがある。一人では無理だったね」。
グレツキーは1981年から85年まで4年連続、1986-87シーズンにも受賞し、計5回、この2つのトロフィーを独占しました。
クロスビーは2006-07シーズンにハート・トロフィーとテッド・リンゼイ賞の両方を受賞し、2012-13シーズンと2013-14シーズンにも再びハート・トロフィーとテッド・リンゼイ賞を受賞しています。
マッキノンは、同じシーズンにハート・トロフィーとテッド・リンゼイ賞を総なめにした24人目の選手です。1970-71シーズン、テッド・リンゼイ賞が初めて授与されて以来、37回発生しています。
「賞はそれ自体を語るべきだ」と、木曜日、ヴェジーナ・トロフィーを獲得したウィニペグ・ジェッツのゴールキーパー、コナー・ヘレビュイックは言いました。
「彼は驚異的な選手だ。彼は試合を強く支配している。彼はどんどん良くなっているし、それこそが、エリート選手から見たいものなんだ」。
グレツキーのMVP獲得回数はNHL最多だけでなく、
北米四大スポーツの中でも最多なんだにゃ。
「グレート・ワン」と言われる所以も、この辺にあるんでしょうね。
そのレジェンドから電話かかってきたら、
そりゃクールを通り越してビックリするよなぁ。
票の獲得状況を見てみると…
マッキノンはハート・トロフィーの投票で、1位票194票のうち137票、1,740ポイントを獲得しています。提出された194票のうち184票で1位または2位でした。
タンパベイ・ライトニングのライト・ウィング、ニキータ・クチェロフは、1位票50票、1,269票で次点となっています。マクデイビッドは845の投票ポイントで3位に終わりました。彼は1位票を1票獲得しました。
ニューヨーク・レンジャーズの左ウイング、アルテミ・パナリン(3票)、マシューズ(2票)、ヘレブイック(1票)も1位票を獲得しています。
「2018年にチャンスがあると思っていたし、今夜もチャンスがあると思っていた」とマッキノンは言いました。「先年、コナーは私より50ポイント多かったと思うので、そんなに僅差ではなかった。ああ、(今シーズン)チャンスあるとは思っていたよ。分からなかったけどね。
クッチ(ニキータ・クチェロフのこと)とコナーはそれぞれ100アシストを記録するなど、信じられないようなシーズンを過ごしたからね。僕は本当に(受賞できるとは)分からなかった。獲得できて本当に良かったよ」。
昨シーズン、71試合で111ポイント(42ゴール、69アシスト)を記録した後、今シーズン、マッキノンは2年連続、NHLキャリアで2度目の100ポイント以上を達成しました。
シーズン開幕から35試合連続ポイント(77ポイント、29ゴール、48アシスト)を記録し、これは1988-89シーズン、ロサンゼルス・キングスで40試合連続ポイントを記録したグレツキーに次ぐNHL史上2番目の長さです。
アバランチのレジェンドからの影響
アバランチ(50勝25敗7延長負け)は、セントラル・ディビジョンで3位に終わりました。
「チームに在籍していた11年間でさまざまな選手がいたからこそ、今の自分がある」とマッキノンは、現在および元チームメイトについて話しています。「今年、偶然に何か起きたわけじゃない、魔法のように何かが起こったわけじゃないんだ。
感謝しなきゃいけない人がたくさんいるね。(みんなにお礼を言うまで)しばらく時間がかかりそうだ」。
マッキノンは、ハート・トロフィーを獲得した3人目のアバランチ選手です。ピーター・フォースバーグは2002-03シーズンに、現チーム社長のジョー・サキッチは2000-01シーズンにそれぞれ獲得しました。
サキッチはまた、2000-01シーズンにテッド・リンゼイ賞を受賞しています。
マッキノンが登場するまで、サキッチはテッド・リンゼイ賞を受賞した唯一のアバランチ選手でした。
「ジョーと同じ会社にいるときはいつでもクールだ」とマッキノンは言っています。「彼は今夜ここにいるよ。彼とのキャリアの中で、いろんなことを経験できて楽しいよ。彼はレジェンドであり、僕の好きな選手の1人さ。それは本当に特別なことさ」。
2023-24ハート・メモリアル・トロフィー投票
ポイント(1位-2位-3位-4位-5位)
1.ネイサン・マッキノン、COL 1740(137-47-8-0-1)
2.ニキータ・クチェロフ、TBL 1269(50-77-30-23-11)
3.コナー・マクデイビッド、EDM 845(1-28-86-67-8)
4.オーストン・マシューズ、TOR 756(2-33-53-73-21)
5.アルテミ・パナリン、NYR 175(3-1-7-15-58)
6.コナー・ヘレブイック、WPG 104(1-4-3-7-30)
7.クイン・ヒューズ、VAN 62(0-1-4-3-26)
8.デビッド・パストルナック、BOS 41(0-2-0-4-15)
9.シドニー・クロスビー、PIT 38(0-1-3-1-13)
10.ローマン・ジョシ、NSH 8(0-0-0-0-8)
11.J.T.ミラー、VAN 3(0-0-0-1-0)
T-12(12位タイ). セバスチャン・アホ、 CAR 1 (0-0-0-0-1)
チャーリー・リンドグレン、WSH 1(0-0-0-0-1)
サム・ラインハート、FLA 1 (0-0-0-0-1)
まとめ
この投票結果を見ると、カップ戦決勝まで勝ち進んでいるマクデイビッドの票数が、もうちょっと伸びるかと思ってましたけど、1位票が1票しか入っていないのは意外でした。逆に、シーズン開幕当初から、飛ばしまくっていたクチェロフの2位は納得です。
もし自分に投票権があったら、7位のクイン・ヒューズに1票。カナックス大躍進の中心選手でしたし、プレーオフでもう少し活躍していたら、もっと上の順位に行っていたと思います。3兄弟揃ってトップ・リーグで活躍できたというのも、印象深かったです。
チャンスがあったら(?)、他の賞の記事も取り上げる予定です。特に最優秀新人賞は、大方の予想通り、コナー・ベダードが獲得したのですが、投票2位につけたミネソタのディフェンダー、ブロック・フェイバーの大健闘に注目。記者さんはよく見ていると実感しました。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!