ジョン・トルトレラ新監督がNHLフライヤーズをハードリセット! 

NHLチーム紹介

はじめに 

 「いにしえのプロ野球チーム=東映フライヤーズ」と名前が同じというだけで、なぜか個人的注目チームの一つとしているフィラデルフィア・フライヤーズかつて「ブロード・ストリートのいじめっ子」と言われ、多くのアイスホッケーファンからやや距離を置かれる存在だったチームが、今シーズン、気難しい理論派とされるジョン・トルトレラ(64歳)を新監督に迎え、変わろうとしています。 

 NHL.TVに映る新監督を見ると、評判通りのクールな表情を浮かべながら、短い言葉で選手に指示を与えています。監督就任の際、「ロッカールームの雰囲気を一変させる」と宣言し、記事中にもありますが、トレーニング・キャンプ中、徹底した管理野球ならぬ「管理ホッケー」で選手を鍛え上げてきたようです。 

 そのおかげか、チームは開幕から連勝街道を突き進んでいます。地元フィラデルフィアのファンからも見放されていたフライヤーズ、果たしてどんな「荒療治」があったのでしょうか。 

讃岐猫
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管理野球と言えば、広岡さんだにゃ。

そう言えば、トルトレラ監督は広岡さんに似てる…。

引用元:ESPN.com「John Tortorella at helm of hard reset for Philadelphia Flyers」。 

開幕直前のフライヤーズ 

 その日はフィラデルフィア・フライヤーズの開幕戦の夜で、ニュージャージー・デビルズとの木曜日のナイトゲームの前に悲観論が渦巻いていました。フォワードのジョエル・ファラビー(左ウィング、22歳)はリンクに到着する前にツイッターをチェックしました。 

 「誰もがもうシーズンは終わったと言っている」 とファラビーは語りました。「自分達を信じるのは自分達だけ、他に誰も信じてくれないよ」 。 

 ジョン・トルトレラの映像がインターネット上で出回っています。(その映像を見ると)監督は「フライヤーズが得意とするものを見つけ、それを中心にチームのアイデンティティを築くことができるのではないか」と記者が尋ねました。 

 「いいえ、できない」とトルトレラは言いました。 

 その後、フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・アリーナで試合前の紹介が行われました。負傷したディフェンスマンのライアン・エリス(31歳)の名前が発表されると、群衆からブーイングが起きました。 

 容赦ない情熱を持つ街での生活へようこそ。忍耐とは、スポーツチームが楽しむ贅沢ではない。フライヤーズは(この街の中で)隠れることができないことを知っています。フライヤーズという組織は、その現実と折り合いをつけたのです。 

昨シーズンの逆境 

 2021-22シーズンは悲惨なシーズンでした。ゼネラルマネージャーのチャック・フレッチャー(55歳)は「私たちが直面した逆境はクレイジーなものだったよ」と述べました。「どう控えめに言っても、私たちはそれをうまく処理できていなかったね」。 

 ベテランのカム・アトキンソン(右ウィング、33歳)も付け加えて言いました、「昨年は理解できないことばかりあった…、(組織化されていない)ちょっとした田舎のクラブチームみたいな感じでしたね」。 

 フレッチャーは当初、約500人が負傷した試合を含め不運な出来事が重なったことで、チームの活動が妨げられ、再びリンク上で戦うには「積極的にチームを作り直す」段階を経ないとダメだと考えていたと証言しています。ひと夏の反省を経て、チームと組織は方向転換しました。 

讃岐猫
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暗く沈んだフライヤーズに、 

トルトレラ新監督は光をもたらしてくれるのかにゃ…。

新監督・トルトレラ登場 

 トルトレラはハードなリセット作業のために雇われました。ベテラン監督は、悪く言えば、自分が感じていることをストレートに言います。「最初の仕事は?」と聞かれて、「誰がこのプロジェクトに参加したいのかを見つける」と彼は言いました。つまり、組織が期待していた若い選手と、何年も在籍しているベテランの両方を意味しています。 

 トルトレラを雇うチームというのは、何のために契約するかを知っています。物事は変化し、そのプロセスは必ずしもスムーズではありません。しかし、結局のところ、チームというものにはアイデンティティがあり、過去数シーズンのフライヤーズに欠けていたものです。 

 「このリーグで、我々のチームは全く尊敬の念を持たれていない。それは認めてもいい」とトルトレラは言いました。「しかし、それが私を動かしているものです。このチャンスが大好きです」。 

GMフレッチャーの悩み 

 フライヤーズのファンは今夏、ジョニー・ゴードロー(左ウィング、29歳。現コロンバス・ブルージャケッツ)との再契約を望んでいました。リーグで最も熟練したウィンガーの1人であるサウスジャージーの「製品」は、彼がカルガリーを去った後、故郷のチームでプレーしたいと伝えました。 

 フレッチャーは「ジョニーをはじめとするフリーエージェント (FA) のトップ選手達と、お金の使い方についてたくさん話し合った」と語りました。「しかし、この7000万ドル(日本円で約105億円)のトップエンドプレーヤーと契約するには、キャップスペースを空ける必要がありました。 

 それにはドラフト1巡目指名権を手放すことが必要だっただろう。(勝ち点)61ポイントのシーズンを終えても、それは我々にとって味気ないものでした」と述べました。

讃岐猫
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フライヤーズは、 

FAの選手にことごとく嫌われてしまったんだにゃ…。

ライアン・エリスについて 

 フライヤーズとフロントが、ライアン・エリスの治療後の経過 (良好とは言えなかった) をより明確にしたため、チームはディフェンスをより優先するようになりました。2021年にナッシュビルから大型トレードで獲得したエリスは、フライヤーズでわずか4試合しかプレーしておらず、背中の腰筋断裂と判明したケガに対処している最中です。 

 フレッチャーとエリスの代理人によると、このディフェンスマンはまだ引退を考えていないとされています。彼はどうしてもプレーしたいと思っており、その目標に向かって努力しています。 

 今シーズン、エリスは家族とサウスジャージーに住んでおり、チーム施設でトレーニングを行っています。チームと一緒にいることで、エリスの精神的健康状態が改善した、と彼の代理人は語っています。しかし、31歳の彼は今も痛みを抱えながら辛い日々を送っています。エリスが今シーズンプレーする可能性は極めて低いでしょう。 

 エリスは、フィラデルフィアのトップディフェンシブペアとして、イワン・プロボロフ(25歳)とチームを組むために獲得した選手です。 

 そこで、フライヤーズはこの夏、キャップスペースを使ってトニー・デアンジェロ(ディフェンス、27歳。2年間、1000万ドル、日本円で約15億円)と契約し、プロボロフと一緒にプレーすることになりました。また、トラヴィス・サンハイム (ディフェンス、26歳。8年間、5000万ドル)の契約延長にも多額の資金を費やしました。 

若き守護神カーター・ハートについて 

 チームはカーター・ハート(ゴールテンダー、24歳)をサポートするために、より良いディフェンス・システムを望んでいます。チームの成功はゴールテンディングに左右されることがあまりにも多く、トルトレラは最優先事項の一つとして「若いゴールテンダーにプレーさせること」だと語りました。 

 ハートは長年、チームの何十年にもわたる「ゴールテンディング・カルーセル(ゴールテンダーが安定しないことを、回転木馬のようにクルクル回ることに喩えたモノ)」の解決策として見られてきました。 

 ハートの4年間のキャリアの中で、堅実にプレーしていたが華々しくはありませんでした。(出場した試合におけるチームの勝敗)62勝61敗16延長負け、セーブ率.905、平均2.97失点。 

 トルトレラは「彼は24歳になったばかりだ」と強調し、改めてファンに忍耐を求めました。 

 また、チームはハートの前で良いプレーをしていないため、ゴールテンダーの仕事が難しくなっています。 

 チームとして守ることを学び、守ることにコミットすることが、トルトレラの特徴である。 

 「パックから離れたところで、どうプレーしていくかを知らなければ、試合には勝てない」と彼は言いました。 

讃岐猫
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原文では、チームの守備について、 

新監督はかなりキッツイ表現で弱点を指摘してるんだにゃ…。

トルトレラとはどういう男なのか 

 トルトレラは意地悪なことで知られているが、監督が大きな心を持っていることはリーグ最悪の秘密です。 

 コロンバスで6年間トルトレラの元でプレーしたアトキンソンは、「みんなが見るのは、10年以上前のYouTubeの動画ばかりだ」と話しました。「誤解しないでほしいのだが、彼にはその瞬間(意地悪な性格が出た瞬間?)があったということだ。彼は燃える男で、みんなと同じように勝ちたいと思っているんだ」。 

 「しかし、彼は私の知る中で最高の人物の一人でもあり、素晴らしいコミュニケーション能力を持っており、時々選手をチェックし、選手の家族や子供達、お母さんやお父さんがどうしているかと尋ねています」。 

 アトキンソンはトルトレラをフィラデルフィアに連れてくるようフレッチャーに提案したと言っています。33歳のアトキンソンは「年を重ねるにつれて、私に残された時間は限られています」と話した。「そして勝ちたい」。 

 今から作業が始まります。トルトレラのトレーニングキャンプは、コンディショニングに重きを置くことで有名です。すべてのプレイヤーは、体脂肪率11%以下で出場することが義務付けられ、そして彼らはそうしたのです。 

 それは、(チームの)構造と(試合における)細部へのこだわりを必要とするトルトレラのスタイルに応えるのに役立ちます。 

 フレッチャーは「コロンバスにいた時の彼のチームは、技術面の最も高いチームではなかったが、彼らのパック・ポゼッションの数値はリーグでトップ10だった」と話しました。「我々もそのようになりたい。他のチームほど得点できるスキルがなければ、そういう戦術を取るのが現実的なのかもしれない」と述べました。 

トルトレラは変わった? 

 フレッチャーはトルトレラについて別のことを明かしてくれました、「彼は『私は変わった、変わった』と言い続けているよ」。 

 フレッチャーによると、トルトレラはキャンプで選手に厳しいコンディション管理を課しましたが、コーチはスポーツ科学や医療スタッフの刷新にも取り組んでいたとのことです。それ以上のことはやらず、後はただただ一生懸命スケーティングに励みました。 

 トルトレラは、自分の方法論の中で最も変わったのは、若い選手へのアプローチだと語りました。 

 「私は前よりももっと耳を傾けるようにしています。これからもそうします」と彼は言いました。「現在の状況では、選手と一緒になってやらなければならない。彼らを指導し、力づけるのが正しい方法だと思います。 

 しかし、私の方法論から選手達が逃げようとするのを許しません。私が耳を傾けすぎると、人間の本性が出て、選手達がそれに甘えて利用してしまうからです。 

 「私はまだ彼らをプッシュするつもりだ。まだまだ厳しくやるつもりだし、しつけられる。しかし、選手達が私と一緒に(正しい答えを導き出す)方程式の一部になることを望んでいます。それがもっと上達しようとしている最大のことです。果たして私は堅実にやってますか?絶対にできていません。しかし、私は取り組んでいます」。 

 トルトレラは、自分のチームが「ブロード・ストリートのいじめっ子」になることを望んでいません。しかし、フィラデルフィアの街がチームと恋に落ちた、チームを認めたという自覚を持ってもらうため、チームはさらにタフさを持たねばならないと彼は考えています。そこに至るには、懸命にチームをリセットすることが必要なだけです。 

讃岐猫
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選手に近寄りつつも、 

超えてはならない一線はビシッと引く。 

名監督ってそんなもんだよにゃ。

まとめ 

 日本時間19日(水曜日)午前中に行われたライトニング戦でも、我らのフィリーズは2点ビハインドの劣勢を跳ね返し、3‐2の逆転勝利!このままの勢いで勝ち進み、プレーオフ進出を決めたら、トルトレラを招聘したフレッチャーは万々歳ではないでしょうか。 

 それにしても、「体脂肪率11%以下」の件はまじめに広岡さんを思い出させるものでした。古今東西、似たような方はいらっしゃるんですね。 

 フィリーズの不安と言えば、ベテラン選手に故障者の多いこと。しかも、今シーズン中に復帰できるかどうか難しい選手が多いみたい…。ドンドン若手を使うと言っているトルトレラとしては、そのピンチをチャンスに変える気構えでしょうが、ここ一番って時にベテラン選手の力が必要になってきます。 

 経験の少ない若手選手が壁にぶち当たった時、そこで初めてトルトレラの真価が問われると思います。 

讃岐猫
讃岐猫

NHL公式アプリのアイコンもフィリーズ・デザインにしたにゃ! 

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

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