エキサイティングな第7戦になるか!メープルリーフス対ブルーインズ!

アイスホッケー名勝負

はじめに 

 前回の記事で取り上げたナッシュビル・プレデターズは、バンクーバー・カナックスに0-1と完封され、第6戦でプレーオフの舞台から去りました。第1ラウンド、残るは2カード。一つはダラス・スターズvs.「昨シーズンのチャンピオン」ベガス・ゴールデンナイツ、そして… 

 ボストン・ブルーインズvs.トロント・メープルリーフスという、どちらも優勝候補の組み合わせが熱戦を繰り広げています。昨シーズン年間最多勝のブルーインズは、第1ラウンドでフロリダ・パンサーズにまさかの敗退で悪夢を見ています。 

 そして、今回の記事の主役、トロント・メープルリーフスは、過去何度もプレーオフでブルーインズと対戦し、跳ね返されています。その壁を打ち破るのか、それともまたも軍門に降ってしまうのか。しかし、トロントに不安材料がありまして…。 

讃岐猫
讃岐猫

引用元:NHL.com「Maple Leafs can change narrative with win in Game 7 against Bruins

歴史を変えるのは誰か?

 トロント・メープルリーフスとボストン・ブルーインズが、5月4日・土曜日(日本時間で翌日)のイースタン・カンファレンス第1ラウンド・シリーズの第7戦で対決するとき、騒々しいTDガーデンで、2つのチームに立ちはだかる「悪霊」に事欠かないでしょう。

 結局のところ、どちらのチームが過去のポストシーズンの悪霊を祓うことができたとしても、第2ラウンドで(好調の)フロリダ・パンサーズと対戦することになります。

 この11年間で4度目となるボストンでの第7戦を戦うメープルリーフスにとって、過去3度の敗戦1に悩まされることになるのでしょうか?

 それとも、1年前にパンサーズとのシリーズで、3勝1敗とリードを取っていたブルーインズが、ボストンでの第7戦を含む3連敗2で、ホストチームでありながら敗退した悪夢を払拭できるのでしょうか。

 一方のチームは歴史に逆らい、もう一方のチームは歴史に残るでしょう。

 もう一度(繰り返すかもしれません)

 いずれにせよ、木曜日、スコシアバンク・アリーナで開催された7試合制の第6戦で、トロントが2-1で勝利したおかげで、舞台は劇的な勝つか負けるかのホーム対決のために整いました。

 12ヶ月前のパンサーズと同じように、トロントはこのシリーズでボストンに1勝3敗と苦戦していましたが、過去2試合に勝ちました(スコアは両方とも2-1)。ここからが本当のリトマス試験紙です:(第7戦で)取引の完了となります。

トロント監督の心配の種は…

 メープルリーフスのシェルドン・キーフ監督は、それが実現するかどうかは予測していませんが、自分のチームが必死にプレーすると感じています。結局のところ、その練習は十分に積んできているからです。

 「私の頭の中で、我々は2つの第7戦をプレーしたようなものだからね」とキーフは言い、第5戦と第6戦で、トロントが死ぬか生きるかの勝負を決めた試合について語りました。

 注目すべきは、これらの試合で、センターのオーストン・マシューズと彼のレギュラー・シーズン69ゴールを欠いて勝利したことです。そして、彼の未公表の病気が長引くなら3、チームは再び前の試合と同じことをしなければならないかもしれません。

 火曜日の第5戦に先立って、マシューズはトロントでの朝のスケートで約4分間プレーした後、アイスリンクを去り、自分は試合に出られないと決めました。

 水曜日にはメープルリーフスの練習パッドでひとりでスケートをし、木曜日にはスコシアバンク・アリーナで朝の練習に参加しましたが、プレーはしませんでした。

讃岐猫
讃岐猫

マシューズの代わりを務めるのは…

 ウィリアム・ナイランダーの出番です。

 メープルリーフスが成功するためには、特にマシューズが再び試合会場へ行くことができない場合、トップ・プレーヤーがステップ・アップする必要があります。

 ブルーインズのゴールネットを揺らし、トロントが2-1で勝利した試合で、マシュー・ニーズの延長戦でのゴールは、キャプテンのジョン・タバレスが第5戦で見せたように、彼の激しいカットから生まれました。

延長戦を制したゴールがこれ。

 そして、ナイランダーが第6戦でやったように。

 非公開の病気で、シリーズの第1戦を含む3試合を欠場したスピードのあるウイング(ナイランダー)は、過去2試合(第4・5戦)で残っていた錆(2試合は無得点)を脱ぎ捨て、全体を通してトロントの2得点に絡むダイナミックなプレーを見せました。

第6戦のハイライト映像です!

 ナイランダーは3月26日以来得点していませんでしたが、ポストシーズンの大事な場面でやり遂げる傾向があり、彼のキャリアの中で、トーナメントの負ければ敗退という試合で7ゴールを決めています。

 「確かに2ゴールを決めることができて良かった」とナイランダーは言いました。「でも、チームの努力、僕らが60分間ずっと戦い、競い合いをできた方法、まあ、それは僕らにとっても信じられないほどだったと思うね」。

トロントが勝つための秘訣は…

 (ブルーインズのホームであり)メープルリーフスにとって恐怖の館となっているTDガーデンでの第7戦で、メープルリーフスが特殊なシナリオを作り、物語を変えていくには、(これまでの試合=第4・5戦と)同じことをする必要があります。

 2013年、2018年、2019年の過去生きるか死ぬか瀬戸際の3試合で、トロントはブルーインズに累積スコア17-9で敗れていることを覚えておいてください。

 そして、一転して、試合終了後、両チームの選手が握手するためラインを作る時、メープルリーフスがプラス側、つまり勝者側に立つために、成功への青写真を構成するいくつかのカギがあります。

 第1ピリオドのシュート数で、ブルーインズを合計23-3で下した過去2回のように、良いスタートを切って、試合開始直後から試合の流れを支配する必要があります。

 このシリーズで20回中1回しか成功しなかったという、圧倒的に不振のパワープレーを何とか修正する必要もあります。ロサンゼルス・キングスを5試合で破ったエドモントン・オイラーズは、20回中9回とパワープレーを成功させており、それと比較してみましょう。

 そして、おそらく最も重要なことは、過去2試合それぞれでブルーインズをわずか1ゴールに抑えている、ジョセフ・ウォル の優れたゴールテンディングを再び得る必要があることです。

 25歳の彼は、特にボストンで開催される大舞台で輝くチャンスを待ち望んでいるようです。2016年から19年までボストンカレッジでプレーした彼にとって、馴染みのある場所です。

 それもあってか、彼は騒々しい観衆、情熱、TDガーデンを満たすエネルギーを切望し、第5戦での27セーブのパフォーマンスを「一生の思い出に残るような、忘れられない時間」と呼ぶほどです。

 「とても興奮しているよ」と木曜日の勝利後、彼は第7戦について語りました。「プレーするには素晴らしい建物なんだ、あそこは」。

 特に、メープルリーフスが第7戦のジンクスを打ち破るため、彼が貢献してくれるのであれば、なおさらです。

まとめ

 最新の試合情報によると、第7戦も延長にもつれ込む白熱戦の結果、ブルーインズが2-1でメープルリーフスを下して、昨シーズンの悪夢を振り払い、次のラウンドへと駒を進めました。逆に、メープルリーフスはまたもブルーインズの牙城を崩せませんでした。

 0-0で終わった第1&第2ピリオドは、まさにつば競り合いの試合展開。ギブアウェイ12対1で、メープルリーフスが圧倒的に勝っていたことから、ブルーインズからパスミスやハンドリング・エラーを誘い出すフォアチェックに長けていたことが分かります。

 トロントのエース、オーストン・マシューズは試合に復帰し、第3ピリオドの先制点アシストに絡み、フェイスオフの勝率も6割近くをマークするなど、トロント優勢の下地は作っていました。しかし、シュート自体は3本と少なく、これがチームの敗因だったかもしれません。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. 2019年、スコア1-5。2018年、スコア4-7。2013年、スコア4-5。2013年はカンファレンス準々決勝で、他の2年は第1ラウンドでそれぞれ対戦。
    ↩︎
  2. ボストンのホームゲーム=第5戦、第7戦は共に4-3で、フロリダのホームゲーム第6戦は5-7で、ブルーインズは3試合全敗。
    ↩︎
  3. NHL公式サイトでは、”was removed by doctors,”「医師によって除去された」という監督のコメントがあるものの、内臓の病気か、怪我なのかは不明。 ↩︎
タイトルとURLをコピーしました