はじめに
大盛況のうちに終了したドラフトで指名された選手が、続々とエントリーレベル契約(最大で5年間、他のチームと契約をさせないプロテクト契約)を済ませつつあります。全体1位、マックリン・セレブリーニはサンノゼ・シャークスの即戦力として、氷上に登場しそうです。
そのセレブリーニ以上にドラフト会場の話題をさらったのが、アナハイム・ダックスから3位指名されたベケット・セネッケ。指名された途端、「え?なんで?」みたいな表情を浮かべ、大声で周囲に何かを叫び、記者会見で驚きと戸惑いの胸中を語っていました。
ドラフト前、ダックスはセネッケと会っておらず(北米では、ある程度、チームと選手の接触を許可している)、彼の頭の中にダックスの存在は無かった上に、まさか3位以内で指名されるとは思っていなかったようです。今回は、そのセネッケを追いかけます。
ちょっと驚き過ぎなんじゃないか、と視ている側が思ってしまうくらい、
ユニークな表情を浮かべていたにゃ。
最初はダックスの指名が嫌で、あんな表情だったのでは?
とやや批判されていたけど、実は指名順があまりに高くて、驚いていたようだ。
引用元:NHL.com「Sennecke, No. 3 pick of 2024 Draft, signs entry-level contract with Ducks」
契約完了、晴れてダックスの一員に!
2024年のNHLドラフトで3位指名されたベケット・セネッケは、7月5日・金曜日、アナハイム・ダックスと3年間のエントリーレベル契約を結びました。
「(僕への)期待は大きいと思う」と、金曜日、セネッケはアナハイムの育成キャンプ終了後に語っています。「僕は今、全体3位で指名されたわけだから、他の人からだけでなく、自分がどれだけやれるんだろう、と自分自身に対して大きな期待感を持っているよ。
だから、僕はそれに応えるつもりなんだ」。
18歳のフォワードは、昨シーズン(23-24)、オンタリオホッケーリーグ(OHL)のオシャワで、レギュラーシーズン63試合に出場し、68ポイント(27ゴール、41アシスト)を獲得し、OHLプレーオフ中に18試合でゴール(10)とポイント(22)で、
ドラフト資格を持つすべてのスケーターをリードする存在でした。
セネッケは、試合の勝利を決定づけるゴール(7)とシュート数(207)でオシャワのトップに立っています。オンタリオ州トロント出身の彼は、プラス/マイナス評価で2位、ポイント数で3位、アシスト数で4位、ゴール数で5位にランクインしました。
セネッケ(6フィート3インチ=約191センチ、182ポンド=82.6キロ)は、(ルーキー・イヤーである)2022-23シーズン、61試合で55ポイント(20ゴール、35アシスト)を記録し、アシスト数では新人の中で1位、ポイント数で2位になり、
OHLセカンド・オール・ルーキーチームに選ばれています。
「確かに旋風が巻き起こったようだったけど、ここ数日でようやく落ち着いたと思う」とセネッケは新人育成キャンプについて語りました。「かなり厳しいキャンプだったが、楽しかったし、多くのことを学んだので、それが最も重要な部分だと思う」。
「もう一人の1巡目指名」も契約済み
2024年のドラフトで、ダックスのもう一人の1巡目指名選手(23位)であるスティアン・ソルベルグも、金曜日、アナハイムと3年間のエントリーレベルの契約を結んでいます。
ノルウェーのオスロ出身の18歳のディフェンスマンは、ノルウェーのトップ・プロリーグであるエリテセリエンのヴァレレンガで、昨シーズン、42試合に出場し、15ポイント(5ゴール、10アシスト)を記録しました。
ソルベルグ(6フィート1インチ=185.4センチ、205ポンド=93キロ)は、18歳以下の全スケーターの中で最多ポイント王となり、15ポイントはリーグ史上18歳以下のディフェンダーとして4番目に多いものとなっています。
引用元:NHL.com「Ducks release T-shirt of 1st round pick Sennecke’s priceless reaction」
まだ活躍もしていないのに、グッズ登場!
アナハイム・ダックスは、新しいTシャツを着て、ふざけているわけではありません。
ダックスは、先週のNHLドラフトで2024年のドラフト1巡目指名選手、ベケット・セネッケがチームに指名された後、唖然としたリアクションを見せたことを受け、その表情を使った新しいTシャツを公開しました。
セネッケはショックを受けたように見え、ダックスによって彼の名前が総合3位として発表されたのを聞いた後、周囲に罵るような口調で、大声を出していたのです。
チームはこの瞬間を楽しむことにし、「What the [Anaheim Ducks logo]」の文字の書かれたTシャツに、若手有望株の唖然とした顔写真を貼りつけました。
シャツは現在、1アナハイムのチームストアのウェブサイトで予約注文できます。
このTシャツ、欲しいにゃ!日本の街中で着たら、
「あ、セネッケだ!」って気づく人いるかな^^;。
映画『ホーム・アローン』の別ヴァージョン?とか言われるかも…。
あの映画、日本ではやたら評価されているからね。
引用元:NHL.com「Sennecke, No. 3 pick in 2024 NHL Draft, attends Ducks development camp」
若手主体の育成キャンプにも出ました
2024年のNHLドラフトでアナハイム・ダックスから3位指名されてから3日後、右ウイングのベケット・セネッケは、7月1日・月曜日、チームの育成キャンプの初日に参加しました。
セネッケは、アナハイムのトレーニング施設の氷上や教室で、テストを行った5人組のグループの一員でした。
セネッケは、育成キャンプの他の選手をあまりよく知らないと言いましたが、18歳の彼はオンタリオホッケーリーグで何人かと対戦しています。
セネッケは昨シーズン、OHLのオシャワで68ポイント(27ゴール、41アシスト)を記録しています。彼はまた、2024年のOHLプレーオフ中の18試合でゴール(10)とポイント(22)で、すべてのドラフト候補のスケーターをリードしました。
セネッケは日曜日、21位指名のノルウェー人ディフェンダー、スティアン・ソルベルグとともに空港でピックアップされ、彼らはエンゼル・スタジアムに直行し、2人とも始球式を行いました。
「ストライクゾーンにどんぴしゃりだった、とみんなが言っているんだけど、僕は野球をあまり見ないので、あまり確信が持てないな」とセネッケは言っています。
その後、セネケとソルベルグは高速道路を渡ってホンダセンターに向かい、何千人ものファンが彼らを迎えるために待っていました。
「彼は素晴らしいヤツさ」とソルベルグはセネッケについて語っています。「楽しい時間を過ごすのが好きなんだよ、面白いヤツさ」。
話題の若手、ゴーティエからのアドバイス
セネッケはその後、2022年のNHLドラフトで5位指名されたフォワードのカッター・ゴーティエと夕食を共にしました。
1月9日、フィラデルフィア・フライヤーズとのトレードで、ゴーティエはアナハイムに獲得され、ディフェンスマンのジェイミー・ドライスデールはフライヤーズに加入しています。
ゴーティエは、金曜日、ラスベガスでダックスからドラフト指名を受けた後、セネッケの生き生きとしたリアクションを持ち出して打ち解けたと言い、会話はその後、育成キャンプのことに及びました。
「彼は毎日楽しんでくれ、と言っていたよ」とセネッケは言います。「これは(育成)キャンプであり、君がここでチームを作ったり壊したりすることなんてないんだから、ってね」。
ゴーティエはまた、ドラフト上位指名された者として、別のドラフト上位指名者へのアドバイスも提供しています。ゴーティエは今年初めにフライヤーズでプレーしたくないことを公表し、アナハイムへのトレードを要望し、多くの反発を受けました。
「上位指名には、より多くの視線と期待が伴うのははっきりしているよね」とゴーティエは言っています。「人々がどう思うかは関係ないんだ、自分のことをやるしかない。
もちろん、あの状況でドラフト3位指名されたのには理由があり、自分は次のレベルに到達するために必要なものを持っているんだ、という信念を持たなきゃいけない」。
セネッケはオレンジカウンティ郡(アナハイムを有する地域。そして、ディズニーランド!)でこれまでに見たものを気に入っていますが、どうしてアナハイムに行くことになったのか、彼はまだよく分かっていません。
「7、8回会ったチームもあったけど、アナハイムはコンバインでしか2話さなかったチームだった」とセネッケは言った。「彼らは氷の上でしっかりと僕を見てくれて、それで気に入ったと言っていたかな」。
まとめ
コンバインは体力面だけでなく、メンタル面のテストも行いますから、ダックスのフロントは、セネッケの性格の良さも考慮したのかもしれません。勝利を決定づけるウィニング・ゴール数に表れているように、ここ一番に強いところも、精神的にタフだからでしょう。
映像を見ればお分かりのように、セネッケはまだあどけない顔をしていて、他のドラフト同期選手と比べると、ひ弱な印象を与えてしまいます。もう1シーズン、OHLでプレーするらしいので、まずは下部リーグで常時試合に出て、更にパワーアップが必要です。
あのドラフトの一件で、かなり名前を売ったセネッケですが、前評判通りの器用さと素早さに磨きをかけて、数年後、「そんなこともあったなぁ、今じゃすっかり最高のプレーをするスター選手だよ」って言われるようになってもらいたいものです。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 結構、あちこちのサイトで販売されている。取りあえず 、Xでも紹介されているここ→☆。ちなみに22.95ドルだから、3,700円くらいか。
↩︎ - セネッケは、OHLプレーオフで負傷したため、コンバインの面接には参加したものの、体力テストは欠席している。よって、アナハイムはOHLでのプレーぶりを見て、3位指名を決めたと考えられる。
実際、ドラフト初日から約2週間前の『The Hockey News』を見ると、全体1位指名のマックリン・セレブリーニの次に優れたフォワードとして、セネッケの名を挙げており、大柄なフォワードの割に、敏捷性に優れ、小技が効くところを長所としている。 ↩︎