氷上だけじゃないNHL選手密着ドキュメンタリー徹底解説ガイド

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はじめに

 NHLの舞台裏に迫るドキュメンタリーシリーズ「FACEOFF: Inside the NHL」シーズン2がPrime Videoで登場!🏒

 氷上の試合だけでなく、選手の自宅やロッカールーム、移動中の様子まで密着。スター選手たちの素顔や感情、家族やチームとの日常をリアルに体験できます。知られざるドラマをのぞき見できる、NHLファン必見のシリーズです。

参照記事:NHL公式サイト「‘FACEOFF: Inside the NHL’ season 2 set to launch Friday

📺NHLの舞台裏をのぞける「FACEOFF: Inside the NHL」シーズン2が登場!

 NHLの魅力を深掘りするドキュメンタリーシリーズ「FACEOFF: Inside the NHL」1が、Prime Videoでシーズン2として帰ってきました(10月3日・金曜日、配信開始)!✨

 第1話は「これを見て」という言葉から始まります。舞台は2月15日、モントリオールのベル・センター。アメリカとカナダが激突する「4 Nations Face-Off」の開幕フェイスオフで、観客席には父親キース・カチャック2が座っていました。

 彼の息子たち、マシューとブレイディ(共にアメリカ代表)が並んでフェイスオフを迎える瞬間を、視聴者はまるで隣で一緒に見ているかのように体験できます。

 カメラはキースの緊張した表情を捉え、マイクは彼の言葉を拾います。その中には、「混乱が起きるぞ」と予感させる決定的な言葉が含まれていました――。そしてその直後、マシューがグローブを投げ捨て3、わずか3秒後にはブレイディも同じように身構えます。

 氷上に渦巻く緊張感が一気に爆発する瞬間です。

 当時、映像監督のダニエル・アミゴーネ4はキースのすぐ横、3メートルほどの至近距離に立っており、この場面を目撃していた心の中で「なんてことだ、人々は熱狂するぞ」と直感したそうです。そして、この乱闘がスポーツ界最大のニュースとなった瞬間、彼は「これは間違いなく決定打になる」と確信しました。

 エグゼクティブ・プロデューサーも務めるアミゴーネはこう語ります。「世界中がこの話題で持ちきりで、我々には誰も持っていない素材があると分かっていた。すでに人々が熱狂している物語に、さらに新しい層を重ねられるんだ。考えるだけで鳥肌が立ちそうだよ。あの瞬間、心の中で『すごいぞ、みんな待ってろ。これを見たら腰を抜かすぞ』って叫びたくなったね」。

 シーズン2には、カチャック兄弟だけでなく、シドニー・クロスビー、アンゼ・コピター、セス・ジャービス、ブラッド・マーチャン、ショーン・モナハン、ウィリアム・ニイランダー、ブレンダン・シャナハン、ザック・ワレンスキーといったスターたちも数多く登場します。まさにNHLファン必見のラインナップです。

ここに名前の出ている選手以外にも、スタークラスは結構出るみたい。歴代最多ゴール記録を塗り替えたアレックス・オベチキンが意外と少なそう。

 制作を手がけたのは「Box To Box」5「NHL Productions」6。収録された映像は数百時間にも及び、これはおそらくNHL関連プロジェクトとして過去最多のボリュームと言われています。📹

🎬氷上の裏側まで密着する映像体験

 このドキュメンタリーは、単なるハイライト映像の集まりではありません。制作チームは数百時間にわたる膨大な素材を厳選し、40〜50分のエピソードを6本作り上げました。そして全話が同時に公開されるため、好きなだけ一気に観ることができるのも魅力です。📺✨

 氷上の映像は少なめで、映し出される時も普段は見られない角度からの映像に焦点を当てています。それ以上に注目なのが、氷の外での映像が、普段は入ることのできない舞台裏です。選手の自宅やホテルの部屋、ロッカールームやトレーニングルームにまでカメラが入り込みます。

 さらにはキッチンやレストランでの食事風景、車やバス、ゴルフカートでの移動中の会話まで、選手の日常をのぞき見できるのです。

 NHLコンテンツ&イベント部門の代表であり、エグゼクティブ・プロデューサーも務めるスティーブ・メイヤーは、「舞台裏をより深く掘り下げ、観客に“その選手は誰なのか”“何がその選手を突き動かすのか”を知ってもらえるよう意識した。

 私たちが作り上げたものをとても誇りに思う」と語ります。普段は知ることのできない人間的な部分に迫ることこそ、このシリーズの魅力です。

 実際、驚かされるのは選手や関係者が想像以上にオープンで、率直に感情をさらけ出しているか、時に弱さまで見せている点です。そしてNHLがそれを放送することを認めた懐の深さも印象的で驚かされます。

 例えば第1話では、4 Nationsでの乱闘に至るまでの経緯7を見て、追体験できます。前夜の家族ディナーでブレイディが語ったこと、試合直前にカナダベンチに向けて投げかけた言葉も聞けます。さらに4 Nations決勝の延長戦前に、両チームのコーチがロッカールームで伝えた言葉まで収録されています。まさに臨場感あふれる構成です。

カチャックvs.ヘイゲルが、シーズン2の冒頭からガッツリ来ます!あのなぁ…って言うくらい暴れて、身体を痛めて、それでも優勝するって何者?

 第2話では、コロンバス・ブルージャケッツとゴードロー一家に焦点が当てられます。フォワードのジョニー・ゴードローと、その弟マシューの亡くなった後の物語8が描かれます。

ゴードロー兄弟の突然の死については、こちらで。

 監督のアミゴーネは「当然のことだが、誰もこうしたテーマを口にしたがらない」としながらも、「とてもつらく、感情的なことだったが、コロンバスの人々は本当に私たちを受け入れてくれて、彼らにとっての“悲しみの形”を見せてくれた。そして彼らがどう向き合っていたのかを記録させてくれたんだ」と語ります。

🏒スター選手の素顔に迫る密着映像

 第3話では、シドニー・クロスビーと彼の代理人パット・ブリソンが、クロスビーのピッツバーグ・ペンギンズでの将来について語る様子が描かれ、ファンやメディアの注目を集めます。

 というのも、普段は極めてプライベートを大切にする9クロスビーが、オフシーズンの自宅などにもカメラを入れることを許したため、アミゴーネは彼を“白鯨”に例えました。

 「シドとパットは、このプロジェクトで本当に素晴らしい協力をしてくれた。あのようなアクセスを得るのは難しく、最初から保証されていたわけでもない。私たちはできる限り正確に伝えたつもりですし、番組の内容に胸を張っている」と語るほど、特別な映像となっています。

 また、アンゼ・コピターはハリウッドスターのような存在感を放ちながらも、ベテランリーダーであり、謙虚な家庭人としての一面も見せます。

 俳優ウィル・フェレル10がコピターについて語るシーンからも、フェレルがいかにロサンゼルス・キングスを熱心に追っているかが伝わり、同時にコピターの人柄や実力の一端が垣間見えます。

 第4話では、トロント・メープルリーフスのスタンレーカップ・プレーオフでの苦悩にある、“人間的な側面”に迫ります。シャナハンの幼少期の家を訪れ、地元チームを立て直すことが彼にとってどれほど意味を持つのかを感じ取り、球団社長を解任11された後に彼とキッチンテーブルで向き合う場面も描かれます。

 さらに、トロントが屈辱的な敗戦後、クレイグ・ベリューブ監督がロッカールームで語る言葉や、フロリダ・パンサーズのマシュー・カチャックがリンク上でメープルリーフスを挑発するシーンも収録されています。予告編には、彼の挑発の一言「お前ら、どれだけビビってるんだ?どれだけ怖いんだ?12」も登場し、思わずドキッとする場面です。

 さらに、ウィリアム・ニイランダーを名指しで挑発する場面は一層辛辣です。

讃岐猫
讃岐猫

🌟若手からベテランまで、選手たちのリアルな姿を体験

 第5話では、カロライナ・ハリケーンズの23歳センター、セス・ジャービスに密着。

 彼は自分の個性を発揮し、自身の不安や弱さを率直に語ります。彼の子供部屋のドアには憧れの選手のポスターが貼られており、その後のシーンでは、彼が4 Nationsのカナダ代表ロッカールームでその憧れの選手の隣に座っている姿が映し出されます(筆者より:憧れの選手が誰かは、番組を見てね!)。

 さらに、カロライナがコロラド・アバランチからミッコ・ランタネンをトレードで獲得した直後、エリック・タルスキーGMがランタネンと初めて交わす会話13も収録されています。

 しかしその後、ジャービスとイェスぺリ・コトカニエミがゴルフ場でラウンド中に、ランタネンがダラス・スターズへ再びトレードされたことを知るシーンがあります。コトカニエミのリアクションは必見です。⛸️

 第6話では、敵同士だったブラッド・マーチャンとマシュー・カチャックがチームメイトとして繰り広げる軽妙なやり取りや、カチャックがケガを抱えながらもフロリダ・パンサーズを2年連続スタンレーカップ制覇へ導いた裏側も見られます。

マシューは無理をした影響もあり、新シーズン開幕から欠場…。

 また、スタンレーカップ決勝・第4戦の第1インターミッション(第1ピリオドと第2ピリオドの間)で、エドモントン・オイラーズのコーリー・ペリーがチームメイトを激しい言葉で叱咤する場面も収録。試合は第1ピリオドを0-3で終えたオイラーズが延長戦で5-4の逆転勝利を収めました。

 その夜のメディア報道でもペリーの檄14が話題となりましたが、記者たちはロッカールームに入れなかったため、内容は断片的にしか伝えられませんでした。しかし、この番組では、まるでその場にいるかのような生々しい感情を体験できます。

 NHLコンテンツ&イベント部門のスティーブ・メイヤーは、このシリーズの狙いをこう語ります。

 「私たちはこうした物語を伝えたかった。でも、どうすれば違う形で伝えられるか?どうすれば人々がまだ見たことのないものを見せられるか?どうすれば新しい発見を提供できるか?そしてどうすれば記憶に残る唯一無二の体験にできるか?その問いに挑戦した。

 まだ見たことのない映像や、知らなかった選手の一面を届けたい。それを観る人に記憶に残る体験として提供したいんだ。私たちがそれを成し遂げたと信じている」。

まとめ

 「FACEOFF: Inside the NHL」シーズン2は、選手たちの努力や葛藤、家族との関係まで丁寧に描かれています。💡

 試合の裏側での駆け引きやトレーニングの様子、仲間との絆まで、氷上だけでは伝わらないストーリーが満載。感情豊かな瞬間を追体験でき、NHLの深みを味わえるシリーズです。🏒✨

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. シーズン1は、2024年10月4日にAmazon Prime Videoで配信が開始された6話構成のドキュメンタリーシリーズ。本作は、NHLの選手たちの試合の舞台裏や日常生活に密着し、氷上での激闘だけでなく、選手たちの人間性や感情に迫る内容となっている。

     シリーズは、エドモントン・オイラーズのキャプテンであるコナー・マクデイビッドや、フロリダ・パンサーズのマシュー・カチャックなど、注目選手たちの姿を追いながら、彼らがどのようにしてスタンレーカップという最も権威あるタイトルを目指して戦っているのかを描いている。
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  2. アメリカ出身の元プロアイスホッケー選手で、1992年から2010年までNHLで活躍。ウィニペグ・ジェッツ、フェニックス・コヨーテズ、セントルイス・ブルース、アトランタ・スラッシャーズでプレーし、500ゴールを達成したアメリカ人選手の一人であり、1,000ポイントを超えた6人目のアメリカ人選手。

     彼はパワーフォワードとして知られ、当時のNHLでも屈指のアメリカ出身選手と評価された。息子のマシュー・カチャック(フロリダ・パンサーズ)とブレイディ・カチャック(オタワ・セネターズ)もNHLで活躍中。

     生まれはマサチューセッツ州メルローズで、ボストン大学でのカレッジホッケー経験後、1990年のNHLドラフト1巡目19位でウィニペグ・ジェッツに指名された。攻撃時のフィジカルなプレーとゴール前での存在感から「Big Walt」とも呼ばれた。
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  3. 試合開始からわずか9秒で3度の乱闘が勃発。この試合で注目を集めたのは、アメリカ代表のマシュー・カチャックとブレイディ・カチャック兄弟。マシューは試合開始のフェイスオフ直後にカナダのブランドン・ヘイゲルと激しく衝突し、グローブを投げ捨てて乱闘を引き起こした。

     続いて、ブレイディも次のフェイスオフでサム・ベネットと激しい戦いを繰り広げた。さらに、J.T.ミラーとコルトン・パレイコも乱闘に加わり、試合開始からわずか9秒で3度の乱闘が発生。

     これらの乱闘は、試合前のアメリカ国歌に対するカナダの観客からのブーイングに対する反発として、計画的に行われた可能性がある。マシュー・カチャックは試合後、「メッセージを送る必要があった」と語り、兄弟とともにカナダのホームであるモントリオールでの試合で、アメリカの存在感を強調する意図があったことを明かした。

     この試合は、NHLの国際試合における最速の乱闘発生記録を更新し、1996年のワールドカップ・ホッケーでの20秒を上回る9秒での乱闘発生となった。
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  4. アメリカ・ニューヨーク州バッファロー出身のドキュメンタリー監督・プロデューサーであり、特にスポーツドキュメンタリーの分野で高い評価を受けている。

     彼は、Netflixの『Full Swing』や『Basketball or Nothing』、HBOの『24/7』、SHOWTIMEの『The Circus』、National Geographicの『Chain of Command』など、数多くの著名なドキュメンタリーシリーズに携わってきた。

     また、彼はRoaming Buffalo Filmsの社長としても活動しており、政治、スポーツ、音楽、アートなど、さまざまなジャンルのドキュメンタリー制作に携わっている。彼の作品は、選手たちの人間性や舞台裏のドラマをリアルに描き出し、視聴者に深い感動を与えている。彼のInstagramでは、ドキュメンタリー制作の舞台裏や最新情報を発信。
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  5. Box To Box Filmsは、2016年にロンドンで設立されたドキュメンタリー制作会社で、スポーツを中心とした高品質なコンテンツ制作で知られている。同社は、エミー賞、BAFTA賞、アカデミー賞を受賞した作品群を手掛けており、特に『Formula 1: Drive to Survive』や『Full Swing』など、スポーツドキュメンタリーの新たなスタンダードを築いてきた。

     『FACEOFF: Inside the NHL』は、同社が初めて手掛けたアイスホッケーをテーマにしたドキュメンタリーシリーズで、NHLの舞台裏に迫る内容。このシリーズは、選手たちの練習風景や試合前のロッカールームでの様子、家族との時間など、氷上だけでは見られない一面を描き出している。

     Box To Box Filmsは、従来のスポーツドキュメンタリーの枠を超え、選手たちの人間性や感情に焦点を当てることで、視聴者に新たな視点を提供。その特徴的なストーリーテリングは、ファンだけでなく、一般の視聴者にも強い印象を与えている。
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  6. NHLの公式メディア制作部門であり、リーグのコンテンツ戦略を担っている。その主な役割は、選手やコーチ、チームスタッフへの独占的な取材を通じて、試合の舞台裏や選手たちの人間ドラマを描いたオリジナル番組を制作し、NHLのデジタルおよびソーシャルメディアプラットフォームを通じて配信すること。

     また、NHL Productionsは、スタジオ制作の拡充にも力を入れており、2023年にはマンハッタンの本社に最新鋭のスタジオを開設した。これにより、より多様なコンテンツの制作が可能となり、ファンへの新たな体験を提供している。
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  7. 第1話で描かれる乱闘は「偶発的な暴発」ではなく、選手間のやり取り(グループチャットや合意)から生まれたもので、マシュー・カチャックが開幕フェイスオフでブランドン・ヘイゲルとやり合うつもりだとブレイディに伝え、ブレイディはサム・ベネットを相手にするよう指示を受けるなど、事前の打ち合わせがあったと報じられている。

     この背景には、モントリオールでの“敵地”という雰囲気や、米国チームとしての存在感を示したいという意図があり、マシュー自身も「(会場は)敵意のある環境だ。引き下がるつもりはない」と語っている。

     テレビ用のマイクが拾った会話やペナルティボックスでのやり取りからは、乱闘直後に選手同士が「I got him good(効いたな)」などと軽口を交わす生の声が確認でき、当事者たちがそれを意図的な“トーンづくり”として試合に生かしたことがうかがえる。

     一方、決勝の延長戦前のロッカールームでは、カナダ側のジョン・クーパー監督が「小さな瞬間を大切にすれば大きな瞬間に備えられる(handle the little moments)」と選手に語りかけ、米国側は映画『Miracle』の名スピーチを引用した演出(Kurt Russellの“Miracle”スピーチのモンタージュ)などで士気を高めて臨んだことが報じられている。
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  8. ジョニー・ゴードロー(享年31)と弟マシュー(享年29)は、2024年8月29日、ニュージャージー州の自転車事故で命を落とした。彼らは妹の結婚式を翌日に控えた夜、家族と滞在先近くで自転車に乗っていた際、飲酒運転をしていた運転手が車で追い越しを試み、後方から衝突したと報じられている。

     容疑者のショーン・ヒギンズは酒に酔っていたとされ、逮捕後、過失致死や自動車致死など複数の罪で起訴された。被告側はゴードロー兄弟の血中アルコール濃度が高かった可能性を主張したものの、2025年4月には全起訴が維持され、裁判所は彼らに過失があったという主張を退けている。

     兄弟の死はNHLコミュニティやファンに深い衝撃を与え、ブルージャケッツは追悼行事や慈善活動、記念映像で彼らのレガシーを讃え続けている。
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  9. クロスビーがプライベートをとても重んじる理由については、彼自身の言葉や関係者のインタビューから見えてくるものがある。まずクロスビーは幼少期から公の注目を浴びており、常に周囲からの視線が拡大解釈されやすい環境で育っている。

     このため、あえて自身の私生活は“自分だけのもの”として守る意識が強く、ソーシャルメディア活動を控えるなど情報公開を最小限に抑えてきた。また、彼はプロ選手としての役割を非常に真摯に受け止めており、公と私の境界を明確に保つことで「競技者としての集中力」を確保したいという思いも背景にある。
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  10. 1967年カリフォルニア州アーバイン生まれのアメリカの俳優、コメディアン、プロデューサー、作家で、1995年〜2002年の『Saturday Night Live』で名を上げ、その後『Old School』『Elf』『Anchorman』『Step Brothers』などのヒット映画で知られる存在。

     コメディ界の「Frat Pack」の一員とされ、笑いと個性的なキャラクターで幅広なファン層を獲得してきた。また、自身で映像プラットフォーム「Funny or Die」を共同設立し、演技だけでなく制作や配信面でも活動の幅を広げている。

     加えて、NHLロサンゼルス・キングスの熱心なファンとしても知られ、試合会場で積極的に応援活動を行ったり、クラブとのコラボ企画に参加している。
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  11. ブレンダン・シャナハンは、トロント・メープルリーフスを2014年から率い、「シャナプラン」と呼ばれる再建戦略を主導してきたが、2025年5月、契約満了をもって球団社長職は更新されず、退任が発表された。

     退任の決定には、チームがポストシーズンで期待に応えられなかった点が大きく影響した。特に、2025年シーズンでフロリダ・パンサーズに第7戦で6-1の大敗を喫したことは、オーナー側からすれば「最後の一撃(straw that broke the camel’s back)」とも表現され、変革への要望が強まったと報じられている。

     シャナハン在任中、リーフスは9シーズン連続でプレーオフ進出を果たしたが、ポストシーズンでのシリーズ突破は2回にとどまり、常に“勝てる組織”には至らなかった。

     退任後、球団では後任の社長をすぐには任命せず、GM(ブラッド・トレリヴィング)がチーム運営に直接報告する体制へと移行すると報じられている。
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  12. マシュー・カチャックがトロント・メープルリーフスを挑発した背景には、彼のプレースタイルとプレーオフ特有の心理戦が深く関係している。カチャックはNHLでも「相手を苛立たせ、試合の主導権を握る」ことを得意とするフォワードで、フィジカルなプレーと同時に言葉での挑発(chirping)を駆使してきた。

     プレーオフで対戦した際、彼はウィリアム・ニイランダーに向けて「お前ら、どれだけビビってるんだ?どれだけ怖いんだ?」と声をかけ、さらに名指しで揺さぶりをかけた。これは単なる口撃ではなく、リーフスの主力であるニイランダーに動揺を与え、チーム全体のリズムを崩す狙いがあったと考えられる。

     挑発は氷上での激しい駆け引きの一部であり、特にカチャックのような選手にとっては戦術の延長線上にある。

     その一方で、トロントのベリューブ監督は報道陣に対し、「彼(ニイランダー)はおそらく聞こえてもいなかっただろう」と笑いながら答えており、チームとしては冷静に受け流した姿勢を見せた。つまり、この挑発は相手のメンタルを崩すための典型的なカチャック流の駆け引きであり、同時にパンサーズ側の勢いを高める役割も果たしていたのである。
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  13. タルスキーは、ランタネンとの初対面の際、彼の実力とチームへのフィット感について熱心に語り、ランタネンも新たなチームでの挑戦に意欲を示していた、とされている。
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  14. 試合開始から第1ピリオド終了時点でオイラーズは0-3とリードを許し、シュート数でも17対7と圧倒されていた。この状況を受けて、ペリーはロッカールームでチームメイトに対して強い言葉で奮起を促した。その結果、第2ピリオドでオイラーズは3得点を挙げ、試合を振り出しに。最終的には延長戦で5-4の勝利を収め、シリーズを2勝2敗のタイに持ち込んでいる。

     ペリーの発言内容は明らかにされていないが、チームメイトのレオン・ドライザイデルは「目を覚ませ、今の状況を見ろ」と述べ、ディフェンスマンのダーネル・ナースは「仕事を始めろ」と語っている。これらの発言から、ペリーも類似の強い言葉で鼓舞したことが伺える。
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