はじめに
9月23日、新シーズン開幕間近を告げるプレシーズンマッチが、いよいよ始まります。NHL初上陸となる約束の地、オーストラリアでロサンゼルス・キングスとアリゾナ・コヨーテズが激突!戦力充実の気配?漂うコヨーテズがどこまでキングスに食い下がれるか、それが見所の一つです。
受け入れ側であるオーストラリアの様子はNHL公式サイト等で見られますが、その中でも、オーストラリアでプレーしているアイスホッケー選手達の眼差しは、対抗心より憧れのスターを見るような感じみたいです。その思いが子供達に広まってほしいのが、彼らの望みでもあります。
本場のプレー、日本の子供達にも見せてやりたいなぁ…。
現地の様子は映像でもアップされていて、ウェルカム・ムード満点で羨ましいにゃあ。
街の通りに両チームのフラッグがはためている…、そんな光景を日本で見たい!
引用元:NHL.com「Global Series, Kings, Coyotes have Australia hockey players ‘starstruck’」。
NHLスター選手が近くで見られる!
火曜日、オブライエン・アイスハウスで、トミー・パウエルがリンクに再び現れた後、アンゼ・コピター、ドリュー・ドーティ、ピエール=リュック・デュボア、そしてロサンゼルス・キングスの前でクールに見せようと、自分のポジションからネットへ迫っていきました。
※オブライエン・アイスハウス=オーストラリア、ビクトリア州メルボルンのドックランズ地区にある、オーストラリアのアイススポーツおよびエンターテイメント・センター。一般使用も盛んで、幅広い教育用アイススケート・クラスやアイススポーツ発展に寄与している。
※トミー・パウエル=IHV(Victorian Ice Hockey Association=ビクトリア・アイスホッケー協会)内のプレミア・リーグ(シニア・リーグの最高峰)、ブラックホークス・アイスホッケークラブ所属の現役選手。37歳、ポジションは左右ウィング。
彼の目は大きく見開かれていたらしいです。携帯電話で(出場の依頼を)受けた時、すでに準備はできていました。
「僕はスター選手に憧れてるヤツだからね」と彼は笑いながら言っています。「そうそう。すごいよね。(待っている間)いつになったらコピター、ダウティ、PLD(ピエール=リュック・デュボア)と氷上にいられるんだ?と思っていたよ。クレイジーなことさ。
(みんな)携帯電話でこっそり写真を撮っているんだ。もちろん(僕も写真を)手に入れたよ。誰も見ていないところで(出番を)待っていたんだけど、きっと誰かが(そんな僕を)見ていたんだろうね」と語りました。
NHLが南半球で初めて開催したイベントのインパクトを理解するには、ホッケーを愛し、母国でこのようなものを見たことがない人々の目を通してみるといいのです。
念願の「NHL初上陸」!
キングスとアリゾナ・コヨーテズは、2023年のNHLグローバルシリーズ、メルボルンのロッド・レーバー・アリーナでプレシーズンゲームを2試合行います。
※ロッド・レーバー・アリーナ=オーストラリア、ビクトリア州のメルボルン・パークにある屋内競技場。2000年1月、オーストラリアの伝説的プレーヤー、ロッド・レーバー(テニス選手)を称えて、現在の名称に。収容人数は最大14,820人。全豪オープンのセンターコートでもある。
試合は土曜日と日曜日の午前12時(東部標準時)に行われ、米国ではNHLネットワークとESPN+、カナダではスポーツネット(英語放送によるスポーツ専門チャンネル)とスポーツネット+、オーストラリアでは9 Go(無料放送デジタル・テレビ・マルチチャンネル)、9 Now(Nine Networkが運営するライブ・ストリーム、ビデオ・オン・デマンド、見逃しテレビ・サービス)、ESPN、ESPNアプリで視聴できます。
「正直言って、こんな日が来るとは思わなかったよ」とマット・アームストロングは語りました。「今回のようなことが起こることを、いつも夢見ていたんだ。特にオーストラリアのような外国では、このスポーツは目新しいものだからね。
※マット・アームストロング=AIHL(Australian Ice Hockey League)内、メルボルン・マスタングス(昨シーズンのチャンピオン・チーム)所属の現役選手。41歳、ポジションは左ウィング。
彼らがあそこで滑っているのを見るのは驚異的さ。ここオーストラリアでの試合は素晴らしいものになるだろう」とコメントしています。
パウエルとアームストロングはそれぞれ、2010年、2011年、2012年、2017年、メルボルン・アイスでセミプロのオーストラリアン・アイスホッケー・リーグのチャンピオンとして、グッドオール・カップを獲得しています。
※オーストラリアン・アイスホッケー・リーグ=略称はAIHL。オーストラリアのトップレベルの男子アイスホッケーリーグで、2000年に設立。アイスホッケー・オーストラリア(国際アイスホッケー連盟のメンバー)によって認可されている。
AIHLは、オーストラリアの6つの州と地域にまたがる2つのカンファレンスで、10のフランチャイズチームによって争われているセミプロ・リーグ。
※グッドオール・カップ=トロフィーの名前は、元々カップを寄付したオーストラリア生まれのプレーヤー、ジョン・エドウィン・グッドオールにちなんだもの。
キングスとコヨーテズが火曜日に練習している間、壁に(チャンピオンの)垂れ幕がかかっていました。
今回の記事を読んで、オーストラリアのリーグ状況がよく分かったにゃ。
多くのチームがリーグ戦に参加しているし、公式戦も盛り上がっているようだ。
ユース世代の育成も進んでいる。うーん、日本は完全に負けてる。
オーストラリアのアイスホッケー選手達の経歴
それぞれがここでホッケーを育てようと、オブライエン・アイスハウスで働いています—パウエルは学校やコミュニティグループのマネージャーとして、子供たちを会場に連れてきています;
アームストロングはホッケー・アカデミーのディレクターとして、子供と大人のためのプログラムを運営しています。水曜日の練習後、キングスが子供のためのクリニックを運営するのを、彼らは手伝います。
パウエルはシドニーで生まれ、7歳でホッケーを始め、10歳でメルボルンに移住しました。13歳からコロラド州やブリティッシュコロンビア州でプレーしながら、10代を過ごしています。
「オーストラリア出身の子供として、ホッケーの夢をかなえて、毎日ホッケーをプレーできることは非常にまれです。なぜなら、ホッケーはオーストラリアでできることじゃないからさ」と彼は言いました。
「ホッケーでの夢はNHLに入ることじゃなかったんだ。自分のホッケーを楽しみ、(オーストラリア人として)代表チームに入るためにできるベストを尽くすことだったね」と語っています。
初のオーストラリア出身NHLプレーヤー
フォワードは何度も国の代表選手となっており、2011年、ネイサン・ウォーカー(29歳、センター。現在、セントルイス・ブルース所属)とチームメイトで、オブライエン・アイスハウスで行われたディビジョンIIグループAのIIHF世界選手権で、オーストラリアは優勝しました。
※ディビジョンIIグループA=オーストラリア以外のチームは、スペイン、ジョージア、クロアチア、イスラエル、アイスランド。
2017年10月7日、ウォーカーはワシントン・キャピタルズでデビューし、オーストラリア生まれで初めてNHLでスケートをした選手となったのです。
パウエルは2004〜19年までアイスリンクでプレーし、4回のAIHL優勝を果たしました。
「いいことだね」と37歳の彼は言っています。「ここが最高レベルなのは明らかさ。ここでプレーし、夢を叶えることができてうれしいです」と述べました。
アームストロングはカナダで生まれ、オンタリオ・ホッケー・リーグのキッチナー、ピーターボロ、プリマス、バリーで4シーズン、コンコルディア大学(モントリオール)で2シーズンプレーしています。
※オンタリオ・ホッケー・リーグ=カナディアン・ホッケー・リーグを構成する3つの主要なジュニア・アイスホッケー・リーグの1つ。リーグは・16~19歳のプレーヤー中心で、20歳以上のオーバーエイジ・プレーヤーが例外として参加する場合あり。20チームが所属。
主にオランダとドイツで4シーズンを過ごした後、フォワードは2010年にメルボルンに向かいました。2010〜19年までアイスリンクでプレーし、オーストラリア国籍を取得して、同国代表として世界選手権に2回出場しています。
過去2シーズン、彼はAIHLのメルボルン・マスタングスでプレーしました。
「素晴らしい経験だったよ」と41歳の彼は語っています。
ぜひ子供達に見てもらいたい!
アイスリンクの不足や他のスポーツとの競争のため、ホッケーはオーストラリアで困難に直面しているとアームストロングは語りました。
IIHFによると、国内に6,150人の選手と20の屋内リンクがありますが、パウエルによると、オブライエン・アイスハウスは昨年、28,000人の学童が会場を訪れてウィンタースポーツを体験し、今年、3万人が参加希望を出しているということです。
9月22日(金曜日)、ロッド・レーバー・アリーナでの公開練習で、子供たちはキングスとコヨーテズを見て、土曜日と日曜日、そこでのプレシーズンゲーム2試合を見ることができます。
「子供たちを説得してプレーさせるのは難しい仕事ですが、私がここに来てからずっと成長してきたし、今回のNHLとの交流があれば、さらに良くなると思っているんだ」とアームストロングは言いました。
「ここオーストラリアに熱烈なホッケーファンはたくさんいます。彼らは皆リンクにやってくるだろう」。
やっぱ子供達に見せてあげるのが一番だよにゃ!
激しいスポーツで危険な部分もあって、日本ではなかなか面白さを伝えるのが難しいけど、
まずは、そのダイナミックさを見てもらうしかないんじゃないかな。
自分がしたように、パウエルは子供たちにキングスとコヨーテズを見てほしいと願っています。
「彼らがいかに偉大な選手であるか、才能と労働倫理、ゲームにどれだけの献身を注いでいるか、そして実際にそれを成し遂げるための彼らの技術を見てほしい」と彼は語りました。
「子供たちにとって素晴らしい経験になるだろうし、僕自身が子供たちの中で一番大きな子供かもしれないね」。
まとめ
長野オリンピックの頃、割とNHL人気は日本でも盛り上がっていて、試合も行われていました。その盛り上がりを、当時の日本リーグに落とし込めなかったのが、今でも残念でなりません。スポンサー問題が一番大きいのですが、狭い日本、アイスリンク確保も壁として立ちはだかっています。
サッカーやラグビーで日本はオーストラリアの一戦を交えるのですから、アイスホッケーも定期戦とかできればいいんですけどね。あとは、NHLの試合がしっかり配信で見られること!それに分かりやすい解説を付けること!
ラグビーみたいに、中継中にテロップでルール解説を出したりすれば、グッと親近感が出てくると思うのですが。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!