はじめに
2025-26シーズンのNHLは、若手からベテランまで意外な選手や監督が躍動中🏒。ペンギンズのダン・ミューズ監督の手腕や、セネッケやベダード、セレブリーニらの驚異的な活躍、ヘイスカネンやウェッジウッドの上位争いなど、4分の1地点で注目のアワード候補をデータと共に解説します📊。
今季の動向を知るには必見の記事です✨。
参照記事:NHL公式サイト「EDGE stats: Surprise 2026 NHL Awards contenders」
🏒2025-26シーズン注目のNHLアワード候補
NHL.comのファンタジースタッフは、NHL EDGEのパック&プレーヤートラッカー1を使い、リーグで起きている最新の試合データやスタッツから、リーグのトレンドを分析しています📊。
今回は、2025-26シーズンの4分の1地点で、意外なアワード候補として注目されている選手や監督をアドバンストスタッツの視点から取り上げていきます。
■ジャック・アダムス賞:ダン・ミューズ(PIT)
ピッツバーグ・ペンギンズのダン・ミューズ監督は、就任1年目でチームをメトロポリタン・ディビジョン上位3位以内に導いています✨。
過去3シーズン連続でプレーオフを逃していたチームを立て直し、シーズン4分の1地点でリーグ最高のパワープレー成功率34.1%、リーグ8位タイの平均3.26得点/試合、さらにリーグ最多タイとなる3試合の完封勝利と攻守両面で強さを見せています🏆。
これにより、ミューズは「最優秀監督賞」の有力候補となっています。
38歳となったシドニー・クロスビーが依然として圧倒的な得点力を維持する一方、長年の相棒エフゲニー・マルキンも19試合で23ポイントと復調しています。
NHL EDGEのデータでは、マルキンの攻撃ゾーンでのフェイスオフ・攻撃ゾーン開始率2は46%(フォワードの97パーセンタイル)と高く設定され、39歳ながら高い生産性を誇っています。また、ペンギンズは高危険度シュート数3(167本でリーグ9位)やパワープレー中攻撃ゾーン滞在率4(61.1%でリーグ8位)でも上位に位置しており、ミューズ監督の手腕が光ります。
その他のジャック・アダムス賞の意外な候補として、ボストン・ブルーインズのマルコ・シュトゥルム、シカゴ・ブラックホークスのジェフ・ブラシルも名前が挙がっています。
■カルダー記念賞:ベケット・セネッケ(ANA)
今季の4分の1地点では、ニューヨーク・アイランダーズのディフェンスマン、マシュー・シェイファーが新人王争いの筆頭ですが、アナハイム・ダックスのベケット・セネッケも注目されています🔥。
チームで大きく成長しているセネッケは5対5(両チームの人数が同一)のポイント(12)とマルチポイント試合(4試合)でNHL新人トップに立っており、19歳ながらゴール(6=3位タイ)、アシスト(8=3位タイ)、ポイント(13=3位)、シュート数(36=6位タイ)でも新人クラス上位です。
2024年NHLドラフトで全体3位指名のセネッケは、若手ラインメイトのカッター・ゴーティエ、メイソン・マクタヴィッシュとのケミストリーも抜群で、今季の6ゴールすべてで二人のどちらかが一次アシストを記録しています(それぞれ3本ずつ)。
NHL EDGEのデータでは、20マイル超のスピードバースト5(54回、94パーセンタイル)や高危険度ゴール6(5点、90パーセンタイル)でもフォワード上位にランクインし、将来が楽しみな選手です✨。
さらに、センターのレオ・カールソンがすでにハート賞(シーズンMVP)やアート・ロス賞(最多ポイント)候補に挙がっており、ダックスの若い中核はジョエル・クエンビル監督の下で大きく成長中。チームはプレーオフ進出はもちろん、パシフィック・ディビジョン制覇も視野に入れています🏒。
NHL EDGEのデータでは、ダックスは高危険度ゴールでトロント・メープルリーフス、バンクーバー・カナックスと並ぶリーグトップ(40点)です。
その他の意外な新人王候補には、サンノゼ・シャークスのゴーリー、ヤロスラフ・アスカロフも挙げられています。
■ハート記念賞:コナー・ベダード(CHI)&マックリン・セレブリーニ(SJS)
シカゴ・ブラックホークスのコナー・ベダードと、サンノゼ・シャークスのマックリン・セレブリーニは、ともにハート記念賞(MVP)やアート・ロス賞(最多ポイント)、ロケット・リシャール賞(最多ゴール)争いのトップ候補です⚡。
シーズン4分の1地点で、二人は13ゴールでリーグ4位に並んでおり、首位とは1点差。ポイントでもセレブリーニが30点で3位、ベダードが29点で4位と、いずれもトップ5に入っています。
20歳のベダードと19歳のセレブリーニは、ともに11月18日にハットトリックを達成。20歳以下の選手が同じ日に複数のハットトリックを決めるのは、史上2度目の快挙です🏅(もう一度は1944年2月19日のジャック・ハミルトンとバド・ポイル7/トロント・メープルリーフス)。
2024年ドラフト全体1位のセレブリーニは、ミッドレンジ(中距離)ゴール8でリーグトップタイ(8点)、中距離からのシュート数(32本=4位タイ)や総スケーティング距離(69.81マイル=7位)でもフォワード上位10位にランクイン。
平均ショットスピード(63.12mph)や20マイル超のスピードバースト(55回)でもフォワードの95パーセンタイルに入るなど、2年目とは思えないパフォーマンスを見せています。

ベダードとセレブリーニの若さと実力には驚かされるにゃ⚡!2人そろってハットトリックを達成し、ポイント争いでも上位にランクインするなんて、不思議な縁を感じるし、2人が今後いいライバル関係を築いていく予感。20歳以下でここまでのパフォーマンスは史上でも稀で、日本のファンはまずこの2人に注目してほしい🏒✨。
■ベダードのブレイクと歴史的記録
2023年ドラフト全体1位のベダードは、NHL3年目にして完全にブレイクしています🔥。シーズン4分の1地点で、以下の高度な指標でフォワードの90パーセンタイル以上9に入っています。
◯20マイル超のスピードバースト:70回(97パーセンタイル)
◯スケーティング総距離:66.41マイル(97パーセンタイル)
◯5対5でのスケーティング距離:56.84マイル(フォワード7位、99パーセンタイル)
◯平均ショットスピード:60.95mph(91パーセンタイル)
◯中距離シュート数:33本(3位、99パーセンタイル)
◯中距離ゴール:6点(6位タイ、99パーセンタイル)
◯高危険度ゴール:5点(90パーセンタイル)
21歳になる前にハート賞を獲得した選手はわずか3人しかいません。コナー・マクデイビッド(2016-17)、シドニー・クロスビー(2006-07)、そしてウェイン・グレツキー(1979-80、1980-81の2度)だけです。
だが、ベダードやセレブリーニのどちらか、あるいは両方がチームをプレーオフ争いにとどめ続けるようなら、彼らは今季の主要アワード争いにおいて強力な候補となり続けるでしょう✨。
その他の意外なハート候補には、アナハイム・ダックスのレオ・カールソンも名を連ねています。
■ノリス賞:ミロ・ヘイスカネン(DAL)
ダラス・スターズのディフェンスマン、ミロ・ヘイスカネンは、シーズン4分の1地点でアシスト15、ポイント18、パワープレーポイント7でポジション4位につけています📈。
コロラド・アバランチのケイル・マカーはノリス賞を2度受賞している強力な本命ですが、ヘイスカネンは、同僚トーマス・ハーレーが下半身の負傷で週単位の離脱をする以前から、すでに強い候補としての存在感を示していました。
シーズン4分の1地点で、ヘイスカネンのマルチポイント試合数は5試合で、上回るディフェンスマンはマカー(7試合)、アダム・フォックス(ニューヨーク・レンジャーズ)、ジョシュ・モリッシー(ウィニペグ・ジェッツ。各6試合)のみです。
NHL EDGEによると、ヘイスカネンはスケーティング総距離(70.97マイル/97パーセンタイル)、中距離シュート(15本/6位タイ/98パーセンタイル)、高危険度シュート(4本/93パーセンタイル)、オフェンシブゾーン滞在率10(45.3%/90パーセンタイル)など、ディフェンスマン上位に入っています。
その他の意外なノリス候補には、NYIのマシュー・シェイファーも挙げられています。
ヘイスカネンの手にかかれば、NHLのNo.1スター、コナー・マクデイビィッドもガッツリ抑えられる!
■べジーナ賞:スコット・ウェッジウッド(COL)
コロラド・アバランチのゴーリー、スコット・ウェッジウッドは、ブラックウッドが負傷した開幕当初に正ゴーリーを務め、シーズン4分の1地点でリーグトップの11勝を挙げ、現在まで規定時間内(60分間)の敗戦は1度のみです🏒。
ブラックウッドが今月復帰して以降は、二人でリーグ屈指の優れたタンデム体制を形成しています。NHL EDGEのデータでは、中距離からのセーブ率11.941(最低10試合出場条件)でリーグ1位、.900以上のセーブ率で終えた試合数も10試合でトップタイです。
さらにNHL EDGE IQでは、「プロジェクテッド・ゴール率12(PGR)」という指標を用い、シュートがゴールになる確率を推定しています。PGRが12.0%以上であれば高確率のシュートとされ、今季のNHL全体の推定ショット(60フィート以上のシュート、ゴールライン外からのシュート、空きネットへのシュートを除く)における平均PGRは約5.14%である。
「セーブズ・アバブ・プロジェクテッド(予測値以上のセーブ数)」は、ゴール枠内シュートの総数から、それらすべての推定得点率(PGR)の合計を差し引いたもので、この値がプラスなら、平均的なゴーリーよりも難しいシュートを止めていることを意味します。
シーズン4分の1地点で、ウェッジウッドの予測値以上セーブ数(+9.43)は、ワシントン・キャピタルズのローガン・トンプソン(+12.82)、ブラックホークスのスペンサー・ナイト(+12.17)に次ぐリーグ3位となっています。
一方、ウィニペグ・ジェッツのコナー・ヘレバックは2年連続でベジーナ賞を受賞しているが、膝の手術により離脱中。この状況がウェッジウッド、トンプソン、そして他の正守護神たちにとって、新たなチャンスとなっています。
アバランチはシーズン4分の1地点で13勝1敗5OT負けと首位に立ち、ウェッジウッドは、ネイサン・マキノン(19試合33ポイントでリーグ1位)やマカー(ディフェンスマンで25ポイント)といった攻撃陣の強力なサポートも受けています。
33歳のウェッジウッドは、チームの「1Aゴーリー13」という立場であっても、ベジナ賞のダークホース候補と言えるでしょう🌟。
ウェッジウッド、ナイスキャッチ!これ、結構難しいんですよ。
その他の意外なべジーナ賞候補には、シカゴ・ブラックホークスのスペンサー・ナイトも挙げられています。
まとめ
シーズン4分の1地点のデータから見えてきたのは、NHLの新たな波🌊。ベテランも若手も、得点力や守備力、スピードやセーブ率など多彩な指標で存在感を発揮しています。各アワード候補たちの数字とパフォーマンスは、今後のプレーオフ争いやシーズン後半の展開を占う重要な手がかりとなるでしょう📈。
ファンなら見逃せない分析です✨。

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- NHLが全32アリーナに導入した最先端のセンサー技術を基盤に、赤外線カメラ(14機以上)でパックや選手の動きをリアルタイムに追跡するシステム。パックにはLED搭載のセンサーが組み込まれ、選手のジャージにもセンサーが内蔵されており、1試合で100万点近くの三次元データが生成される。
この位置情報を機械学習モデルと組み合わせることで、「スケーティング速度」「移動距離」「ショット速度」「ショット位置」「パック滞在ゾーン時間」といった従来の統計では把握できなかった高度な指標が生み出される。
この技術は2021‑22シーズンから稼働しており、現在はファンもNHL.com/EDGEでこれらのデータを閲覧でき、選手やチームの動きの洞察が得られるようになっている。
↩︎ - offensive zone start percentageとは、選手がフェイスオフで攻撃ゾーンからシフトを始める比率を示す指標。これは、選手がより有利な攻撃ポジションからプレーを始められているかどうかを反映し、コーチの配置戦略や選手の役割を分析するうえで重要視される。
実際、ゾーン開始はショットや得点機会の生成に影響を与えることが研究で示されており、オフ‐オン(攻撃/守備)での使われ方を読む手がかりになる。
↩︎ - high‑danger shots on goalは、NHL EDGEがパック位置やプレー状況をトラッキングすることで分類できる指標で、得点確率が高いエリア(ゴール近辺など)から打たれたシュートの数を指す。
これらのシュートは単なるシュートより得点へのインパクトが大きく、選手やチームの攻撃効率やチャンス設計を評価する重要な要素。実際、EDGEデータを用いた分析では、高危険度シュートの多さがそのまま得点チャンスの質と直結していると考えられている。
↩︎ - power‑play offensive zone time percentageは、パワープレー時にチームが攻撃ゾーンにパックを保持していた時間の割合を示す。NHL EDGEによるトラッキングによって算出され、攻撃の継続性やプレッシャー形成能力を可視化する指標。
例えば、チームがこの数値を高められていれば、パワープレー中に相手ゴールに持続的な攻撃を仕掛けられている可能性が高く、それが得点増加や効率改善につながる戦略的な強みとなる。
↩︎ - 20-plus mph speed burstsとは、選手が試合中に時速20マイル(約32km/h)以上の速度に一時的に加速した回数を記録した指標。EDGEのトラッキング技術は、選手の移動をリアルタイムで分析し、高速スケート時のバースト(爆発的加速)を「○回/試合」などの形で定量化する。
例えば、コロラド・アバランチのネイサン・マキノンは過去にこのカテゴリで非常に多くのバーストを記録しており、チームの速さや攻撃のテンポを体現する存在として分析対象になっている。
これによって、選手の「瞬発力」「スピードを生かした攻撃参加能力」が見えるようになるため、単に最高速度(トップスピード)だけでなく、“加速回数”を通じた持続的なスピード運用力の評価に役立つ。 ↩︎ - high‑danger goalsは、パックの位置を含む詳細な空間データをもとに、得点確率が高いエリア(=ゴール周辺など「ハイ・デンジャー」ゾーン)から決められたゴールの数を指す指標。NHL EDGEの用語集によれば、この高危険度エリアはゴールの中心から約29フィート(約8.8メートル)以内で、フェイスオフ点とゴールポスト間を結んだ線を境界とする範囲で定義されている。
高危険度ゴールは、単にシュート数が多いわけではなく、質の高い得点チャンス(ゴールの可能性が高い位置からのシュート)がどれだけ生み出せているかを示す指標であり、得点力の本質的な効率性を測るうえで非常に重要。例えば、エドモントン・オイラーズのレオン・ドライサイトルは、EDGEデータを通じて高危険度ゴールの多さで常に評価される選手の一人。
↩︎ - John “Jackie” Hamilton(通称ジャック・ハミルトン)は、トロント・メープルリーフスで1940年代にプレーしたセンターで、NHLでは102試合に出場して28ゴール・32アシスト、通算60ポイントを記録した。
Bud “Norman ‘Bud’” Poileは1942年に18歳でリーフスに加入し、第二次世界大戦を経て1947年のスタンレーカップ優勝にも貢献。選手引退後も、コーチ、GM、コミッショナーとして長年NHL・AHL界で活躍し、1990年にホッケーホール・オブ・フェームに“ビルダー(功労者)”として殿堂入りしている。
↩︎ - midrange shots on goalは、ゴールから一定距離の“ミドルレンジ”と定義されるエリアから放たれ、正確に枠内へ飛んだシュート数を指し、選手がどれだけ中距離から高精度の攻撃を生み出しているかを示す指標。
total skating distanceは、試合中に選手がリンク上で滑った総距離を計測するもので、運動量やプレー参加度の高さを客観的に把握できる。
average shot speedは、選手が放つ全シュートの平均速度を測定したデータで、シュートの強さや決定力のポテンシャルを示す重要な分析項目。これらはいずれも選手の“見えにくい実力”を数値化するための先進的トラッキング指標として活用されている。
↩︎ - データ全体における特定の値の相対的な位置を示す指標。具体的には、「ある値以下のデータが全体の中で何パーセントを占めるか」を表す。例えば、90パーセンタイルであれば、その値以下のデータが全体の90%を占めることを意味し、上位10%に位置することを示唆する。
データの分布を把握したり、順位付けを行ったりする際に有用で、単位に依存しないため異なるデータの比較にも適している。
↩︎ - offensive zone time percentageは、選手が試合中にどれだけ長い時間を相手ゴールに近い“攻撃ゾーン”でプレーしていたかを数値化した指標で、パック保持時だけでなくトラッキングデータで測定される実際の位置情報に基づいて算出される。
この割合が高い選手ほど、チームの攻撃構築に継続的に関与しており、相手陣内でプレッシャーをかけ続けていることを意味する。特にディフェンス選手においては、攻撃参加の積極性やゲーム支配力を示す重要な評価基準となり、現代NHLで重視される“攻守両面の貢献度”を立体的に把握できる先進指標として活用されている。
↩︎ - midrange save percentageとは、ゴールからおよそ29〜43フィート(約8.8〜13メートル)のミドルレンジエリアから打たれたシュートに対して、ゴーリーがどれだけ高い割合でセーブできているかを示す指標。
EDGEのグロッサリーでは、このエリアはフェイスオフ点とゴールポストの間の仮想ラインで定義され、そこから飛んでくるシュートの処理能力を評価できる。この指標は、ゴールキーパーがペナルティショットや隅のシュート以外の中距離からのシュートを防ぐ技術や反応精度を測るのに有効。
↩︎ - Projected Goal Rateは、パックが放たれた瞬間の座標やゴーリーの位置、パックの速度、トラフィックなど複数要素を分析し、シュートがゴールになる確率を科学的に推定する指標。
↩︎ - チームのゴールマウスを“完全な第1ゴーリー(No. 1)”ではなく、もうひとりの先発級ゴールキーパーと分担する「共働型先発(tandem)」の一方を指す言葉。たとえばタンパベイ・ライトニングでは、コーチがゴーリーを“1A/1B”と位置づけ、どちらも定期的に起用してシーズンを通じて負担を分散させる運用をしている。
この立場のゴーリーは、完全な不動のエースではなくても、実質的な“第1番手”として試合の大きな部分を任される存在であり、重要な試合でも安心して起用できる信頼感を保ったうえで、休息も確保できる運用が可能。
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