試合中にブルージェイズ熱狂を受けたオイラーズ選手の集中力奮闘記

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はじめに

 エドモントン・オイラーズ対シカゴ・ブラックホークス戦は、リンク上の熱戦と球場外の興奮が入り混じる特別な一戦でした🏒⚾。試合中、スコアボードではブルージェイズのワールドシリーズ第7戦が中継され、選手たちは歓声や緊張感に包まれながらも集中力を保ちました。

 勝利をつかんだ氷上の戦士たちの姿と、カナダ中を沸かせたブルージェイズの戦いを振り返ります💨。

参照記事:NHL公式サイト「Blue Jays’ Game 7 loss in World Series leaves McDavid ‘gutted’

🏒マクデイビッドが感じたブルージェイズへの共感😊

 エドモントン・オイラーズのキャプテン、コナー・マクデイビッド🏒は、2025年のワールドシリーズ第7戦で敗れたトロント・ブルージェイズの気持ちが痛いほどわかると言います。

 なぜなら彼自身も、2024年のスタンレーカップ・ファイナル1で優勝目前の第7戦を落とすという、同じような苦い経験をしているからです。

 ブルージェイズは、シリーズ最終戦でロサンゼルス・ドジャースを相手に11回まで戦い抜き、5対4で惜しくも敗れました。序盤には3対0とリードし、あと2アウトでチャンピオンの栄冠を手にするところまで迫りながら、最後の最後で勝利を逃してしまったのです。

 「本当に歴史的な瞬間だったし、彼らのことを思うと心が痛い」とマクデイビッドは試合後に語っています。この日、ロジャース・プレイスで行われたシカゴ・ブラックホークス戦を3対2の延長戦で制したばかりでした。

 「僕たちもあの感覚を知っているし、あんな形で終わるなんて本当にやりきれない。でも、彼らは素晴らしい戦いを見せたし、カナダ🇨🇦中にたくさんの喜びを与えてくれた😊。自分たちを誇りに思ってほしいね✨」。

🇨🇦カナダ全体をひとつにしたブルージェイズとオイラーズ

 エドモントン・オイラーズも、ここ2年でカナダ中🇨🇦を熱狂させるプレーオフを戦いました。2024年のファイナルではフロリダ・パンサーズに敗れ、昨季も第6戦で涙をのんでいます。彼らは、1993年のモントリオール・カナディアンズ以来となる「カナダのチームによるスタンレーカップ制覇😊」を目指していました。

 一方、ブルージェイズも1993年以来のワールドシリーズ制覇2を狙っていたのです。どちらのチームも、国中のファンの記憶に残るポストシーズンを戦い抜いたのです。

 「特別なことだよ。スポーツの魅力って、人々をひとつにすることだから😊」と、トロント郊外のリッチモンドヒル出身でもあるマクデイビッドは語ります。

 「この夏、特にここ2か月のブルージェイズ🏟の戦いは、本当に人々をひとつにしてくれた。それこそがスポーツの醍醐味なんだ。彼らは胸を張っていいし、本当に特別なチーム🏟だったと思う」。

なぜかブルージェイズのスタジアムに、オイラーズのジャージーを着た人達が…。チケット両方持っていて、野球を取っちゃったのかな?

🏟ブルージェイズの試合が流れたリンクで

 この日の試合、ロジャース・プレイスでは少し変わった光景がありました。なんと、エドモントンとシカゴの試合中🏟に、ブルージェイズのワールドシリーズ第7戦の中継がスコアボードで流れていたのです😊。

 「本当に不思議な感じだったよ」とマクデイビッドは笑います😊。「もちろん、みんなブルージェイズを応援していて、勝ってほしかった。だからこそ残念だったけど、試合中に中継が流れているなんて変な感じだったね。観客の反応が気になって集中できなかったけど、3ピリオド目に入る前に放送を止めてくれてよかった」。

 とはいえ、マクデイビッドも氷上の仕事に集中する必要がありました。この試合では3アシストを記録し、そのうちのひとつは延長2分43秒に決まったディフェンスマン、エヴァン・ブシャールの決勝ゴールにつながっています。

 「ベンチに座りながら、ついブルージェイズの試合を見ちゃってたよ」とマクデイビッドは振り返ります。「氷上にいる時も観客の歓声を聞きながら、“今何が起きたんだろう?”って思う瞬間があったんだ」。

 トロントは、あと2アウトで優勝というところで、9回表に同点ホームランを打たれてしまいました⚾。まるでリンクの上と球場の興奮⚾がシンクロしているような瞬間だったのです。

試合中、「レッツゴー、ブルージェイズ!」のチャントが自然発生。

⚾観客も選手も揺れた瞬間

 第2ピリオドの残り2分14秒、オイラーズが2対1とリードしていたその時🏒、会場の空気が一瞬止まりました。

 ブルージェイズの代走イサイア・カイナー=ファレファが、満塁の場面でホームを狙ってタッチアウト3になったのです⚾。観客席にはざわめきが広がり、リプレー検証の結果、判定が覆らなかった瞬間にようやく場内で歓声が上がりました😊。

 「ちょっとしたスパイスになったね」とオイラーズのクリス・ノブルーク監督は笑顔で語ります。
「ブルージェイズが勝ちそうに見える場面が何度もあって、歓声が上がるたびに“勝ったのか?”と思った。でも中継が続いていたから、“一体何が起きてるんだ?”って混乱したよ。観客の盛り上がりがすごくて、まるで自分たちの試合にも影響しているようだった」。

 両チームにとって、集中力を保つのは簡単ではありませんでした🏒。特にテレビのタイムアウト4中には、ブルージェイズ戦の音声がアリーナ内に流れ、観客も選手もその興奮を感じ取っていたのです😊。

オイラーズvs.ブラックホークス戦、ハイライト映像。選手達の心境やいかに。

🏒オンタリオ出身選手たちの想い

 「ちょっと変わった雰囲気だったけど、やるべきことに集中してたよ😊」とブシャールは語ります。「中継が流れて観客が歓声を上げる中でプレーするのは難しかったけど🏒、なんとか集中を切らさずに勝ててよかったね😊」。

 オンタリオ州5オークビル出身のブシャールは、エドモントンのロースターにいる7人のオンタリオ出身選手のひとりです。

 チームにはマクデイビッド(リッチモンドヒル)をはじめ、ジェイク・ウォルマン(トロント)、ダーネル・ナース(ハミルトン)、アダム・エンリケ(ブラントフォード)、ザック・ハイマン(トロント)、アンドリュー・マンジアパーネ(トロント)と、地元オンタリオ出身の選手が多くいます。

 「集中するのが難しかった理由のひとつはそこだね」とブシャールは笑います。「正直、見なかったとは言えない。きっとみんな少しは見てたと思う。でも、自分たちの試合に集中することが大事だったんだ」。

 一方で、対戦相手のシカゴ・ブラックホークスの選手たちも、プレーが止まった時にはスコアボードを気にしていたようです。

 「カナダ人として僕もブルージェイズの大ファンだけど、できるだけ意識しないようにしてた」とシカゴのフォワード、ライアン・グリーンは話します。「一度すごい歓声が上がった時には、さすがに気を取られちゃったけどね。できるだけ無視しようとしたけど」。

 シカゴのジェフ・ブラシル監督もまた、その独特な空気を感じていました。監督も、選手たちの集中を保つよう努めていて、大部分では成功していたが、やはり特別な体験になったと話しています。

 「いやあ、確かに気を散らされたよ。僕自身もつい見ちゃった」と笑いながら話します。

 「観客が大騒ぎしていたから、“何が起きたんだ?”って思ってね。カナダで試合をするのはいつも面白い体験だ。ここに来ると、国全体がひとつのチームを応援している空気を感じる。今日は本当に面白かったし、興味深くて忘れられない瞬間だったよ🎉」。

讃岐猫
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まとめ

 試合を通して、選手たちはリンク上での戦いに全力を注ぎながら、同時に外の興奮に揺さぶられる状況に立ち向かいました🏒。ブシャールやマクデイビッドら、オンタリオ出身選手たちは冷静さを保ちつつチームに貢献。

 観客の熱気とリンク上の緊張感が交錯した中で、勝利を掴んだ姿は、集中力とチームワークの大切さを改めて教えてくれます✨。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. このシリーズは、エドモントン・オイラーズが1990年以来となる優勝を懸けて出場し、フロリダ・パンサーズとの7番勝負で展開された。

     パンサーズがホームアドバンテージを持って優位にスタートし、初戦から3連勝で先行したが、オイラーズはその逆境から意地を見せ、続く3試合を取り返して6戦目まで持ち込み、シリーズを振り出しに戻した。

     最終第7戦ではパンサーズが1‑2で勝利し、チーム史上初となるスタンレー・カップを手にした。試合通算ではオイラーズがシリーズを通して合計得点で上回ったにもかかわらず、勝負どころで及ばず、カナダのチームによる優勝は1993年のモントリオール・カナディアンズ以来となるものの、その大きなチャンスを逃す結果に。

     さらに、オイラーズのキャプテンであるConnor McDavidがプレーオフMVPに選ばれたという異例の状況が、この敗戦をより印象深いものにした。
    ↩︎
  2. 1993年のワールドシリーズでは、トロント・ブルージェイズがアメリカンリーグ王者としてナショナルリーグ王者フィラデルフィア・フィリーズと対戦し、シリーズを4勝2敗で制して2年連続優勝を達成した。

     特に第6戦では、ホームのスカイドーム(現ロジャース・センター)で迎えた9回裏、1アウト2・3塁の場面でジョー・カーターが放った3ランのウォークオフ本塁打(試合の最終回に、ホームチームが勝利を決定する本塁打のこと)により劇的に勝利。カナダのプロスポーツチームとして歴史的な瞬間となり、今も語り継がれる伝説的なシリーズ。
    ↩︎
  3. リプレイ審査の結果、判定はアウトのままとされ「ホームインの動きがどうか」「三塁でのリード幅が適切だったか」といった議論が巻き起こっている。『ニュースウィーク』によると、コーチ陣の指示で、三塁では二重殺を回避するために控えめなリードを取るよう指示されていたことも明らかになり、この判断が勝負の流れを左右したと、一部報道では分析されている。
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  4. NHLの「TVタイムアウト」は、試合中に放送用のコマーシャルを挿入するために設けられた、約2分間の公式な中断時間。各ピリオドで、6分、10分、14分のタイミングで、両チームが同じ人数でプレーしている場合に発生。

     ただし、ゴール後、アイシング、パワープレー中、試合終了間際の30秒間、または前回のコマーシャルから1分以内のタイミングでは発生しない。また、ゴールキーパーによるプレー中断やネットの外れなど、特定の状況でも発生しない場合がある。

     これらのタイムアウトは、試合の進行に影響を与えることなく、放送局がコマーシャルを挿入するために利用される。そのため、試合の流れを保ちながら、視聴者に広告を届ける重要な役割を果たしている。

     また、特別な試合や実験的なルールが適用される場合、タイムアウトのタイミングや長さが変更されることもある。例えば、2025年の「4 Nations Face-Off」では、各ピリオドのタイムアウトが30秒延長される実験が行われた。
    ↩︎
  5. オンタリオ州南部に位置するOakvilleは、トロント大都市圏(GTA)内の湖畔の町として知られ、2021年時点で約21万人の住民を抱え、オンタリオ州最大の“町”である。湖畔の景観や豊かな公園、交通アクセスの良さから、住みやすさが高く評価されており、教育水準や文化的施設も充実。

     Hamiltonはトロントから南西へ約45 kmに位置する都市で、かつては鉄鋼産業で栄えた工業都市としての歴史を持ち、「The Hammer(ハンマー)」の愛称でも知られる。近年はサービス産業や研究機関など多様な産業にシフトしており、人口も多く、オンタリオ州内でも主要な都市の一つ。

     Brantfordはグランドリバー沿いにある中規模都市で、「Telephone City」として知られる由来には、アレクサンダー・グラハム・ベルが発明を手掛けた土地という歴史的背景がある。製造業の基盤を持ちつつ、都市のリニューアルを進めており、生活と産業がバランス良く共存する地域。
    ↩︎
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