ミッチ・マーナー移籍先候補に浮上!フライヤーズと新監督の狙い

NHLチーム紹介

はじめに

 2025年5月、フィラデルフィア・フライヤーズに新たな指揮官リック・トシェットが就任🔥 その影響で、スーパースターであるミッチ・マーナーの加入が現実味を帯びてきました。攻守に優れたマーナーが加われば、チームの未来は大きく変わるかも?

 今オフ注目の動きと、その可能性を探ります👀✨

参照記事:The Hockey Writers「 Flyers’ Rick Tocchet Hire Is a Home Run if it Lands Mitch Marner

フライヤーズに新たな風!リック・トシェット新監督とマーナー獲得の可能性

 2025年5月16日の記者会見で、、フィラデルフィア・フライヤーズが新たなヘッドコーチ、リック・トシェットを正式に迎え入れました。「25代目」の新指揮官登場に、チームの雰囲気はガラリと変わろうとしています。

もうちょっと若い監督さんの方がいいかな、とも思ったけど、実績があるからね。

 そして今、その影響が“選手獲得”にも波及するかもしれないという期待が高まっています。というのも、これまでリーグで最も評判の悪かった前任監督1を交代させ、カリスマ性あふれるトシェットを迎えたことで、フライヤーズは「フリーエージェント(FA)にとって魅力的なチーム」になれるのでは?とささやかれ始めているんです👀

 そんな中、フリーエージェント市場で最も注目を集めているのが、トロント・メープルリーフスのスーパースター、ミッチ・マーナーの動向。

 彼のような実力を持つ選手が市場に出ること自体が信じがたい状況ですが、トロントでは何度もプレーオフで失敗してきたことから、マーナーの移籍が現実味を帯びてきており、「フィラデルフィアが獲得を狙うのでは?」と大きな話題になっています。

マーナーが加入すれば一気に上昇ムード⁉

 もしトシェットがフライヤーズにこの28歳のスーパースターを呼び込むことができれば、それはまさに「大成功」と言っていいレベル。

 フライヤーズで2000年以降100ポイントを超えた選手は、2017–18シーズンのクロード・ジルー(現オタワ・セネターズ副キャプテン)ただ1人しか輩出していません。一方、マーナーはここ7シーズン、1シーズン82試合換算で平均101ポイントという凄まじい数字を記録しているんです。まさに数十年ぶりの即戦力の極みですね✨

 それは同じ2015年のドラフトで選ばれ、昨夏にフライヤーズ史上最高額で契約を結んだトラヴィス・コネックニーの成績より、実に51.51%も上回っています(2024年7月25日、コネックニーはフライヤーズと8年総額7000万ドルの契約を結んだ)。周囲のタレントについて議論する余地はあるにせよ、マーナーは純粋に得点を量産する選手です🚀。

 その代償として予想される契約内容は、年間1400万ドル×7年になると予想されます。金額は確かに高いですが、それだけの価値がある選手です。「プレッシャーに弱い」とか「ソフト(軟弱)だ」なんて揶揄する声も聞かれますが、そうしたイメージ以上に、彼の実力は確かです。その理由を以下に述べます。

実は“超攻守万能”なマーナー

 マーナーには強烈な先入観が付きまとっていますが、レギュラーシーズンにおける彼のパフォーマンスは極めて優れており、フライヤーズが長期にわたってプレーオフ進出を逃すとは考えにくくなります。

 マーナーがいれば、フライヤーズのレギュラーシーズンの上限が大きく引き上げられる可能性は非常に大きく、2020–21シーズン以降続いているフランチャイズ史上最長のプレーオフ不出場を終わらせるだけでなく、圧倒的な形でそれを実現できるかもしれません。

 マーナーは攻撃面だけじゃありません。守備のスキルも非常に高く、2018–19シーズン以降は毎年、守備力に優れたフォワードに贈られる「セルケ・トロフィー」の投票に名前が挙がっており、攻守両面でエリートレベルにあることを証明しています。

 また、フライヤーズにとっては、チームの構造的にも彼のような選手はピッタリなんです。2024–25シーズン終盤、前任のジョン・トートレラ2監督が9試合を残して解任されたことで、チームは主力のトラヴィス・コネックニーと、ルーキーのマトヴェイ・ミチコフをトップラインで起用し、ゲームの流れを任せました。

 それまで制限されていたミチコフは短期間ながらチームの「顔」となり、結果的にこのラインが今季最高のパフォーマンスを発揮しました💥。ゴールテンディングには依然として問題があったものの、勝率(ポイント獲得率)は.611に達しました。

 しかもこのラインにショーン・クチュリエを加えた3人組は、5対5の状況でリーグでも屈指の得点効率を誇るようになり、攻撃的ながら守備もしっかりできるバランスの取れたユニットだったんです。

 ミチコフの今後の成長を考えれば、彼とマーナーが組むことで凄まじい相乗効果が生まれる可能性があります。マーナーはパワープレーの質を引き上げ、周囲の選手のパフォーマンスも向上させるでしょう🌈。

 「マーナーは右ウィングであり、フライヤーズの得意ポジションと重なるのでは?」という懸念も一部でありますが、これは大きな問題ではありません。

 コネックニーとミチコフは同じラインで素晴らしい連携を見せましたし、タイソン・フォースターやオーウェン・ティペットは、それぞれ2nd、3rdラインの左ウィングで最高のプレーを見せていました。つまり、ポジションバランスも問題なく機能します。

讃岐猫
讃岐猫

若手×マーナーで未来はもっと明るい?

 ミチコフはまだまだ伸びしろがあり、成長著しい選手。この将来有望な若手にマーナーのような“本物”が加わることで、パワープレーの質は確実にアップし、チーム全体の攻撃力が底上げされるでしょう。

 さらに、2025年のNHLドラフトでフライヤーズは全体6位指名権に加え、トップ50以内で7つもの指名権を持っています。これはつまり、将来の成長もかなり期待できる状況ということ✨チームにはもう一人スーパースターが必要であり、そこにマーナーのようなスター選手が加われば、短期的にも長期的にも大きなプラスになります。

プレースタイルだけじゃない!マーナーの「本当の強み」とは?

 マーナーの魅力は、得点力や守備力だけじゃありません。そして、数字だけでは語れない魅力もあります。彼の持つ“ゾーン内のプレー3”のうまさは、フライヤーズにとって大きな武器になるはずです。パスセンスは抜群で、まるでピッチ全体を見渡しているかのようなビジョンを持っているんです👁️✨

確かに「ゾーン」でフリーにすると、相当怖い選手です。

 さらに、ここ4シーズン連続でシュート成功率15%超という数字も要注目。これは単に運が良いというレベルではなく、決定力が本物である証拠。まさに「一発で流れを変える」ことのできる選手です🔥フライヤーズのトップ6にはこうしたスキルが喉から手が出るほど必要です。

 しかも、フライヤーズはドラフト全体1位指名選手のようなスキルを、タンク(わざと負けてドラフト上位を狙う行為)なしで手に入れられるかもしれないのです。これは大きなメリットですね!2018–19年以降、マーナーは全選手中で7番目に高いポイント/試合数(P/GP)4を記録しています。もし契約できるなら、彼はレギュラーシーズンの成功を牽引できる選手なのです。

「プレーオフに弱い」は本当?数字で見るマーナーの真価

 スタンレーカップを獲るには、まずプレーオフに進出する必要があります。マーナーはその目標を実現するだけでなく、有利なレギュラーシーズン順位を確保することでホームアドバンテージをもたらします。

 しかし彼が10月から4月中旬にかけていくら活躍しても、すべて無視されがちです。なぜなら、プレーオフで明確にパフォーマンスが落ちる選手と見なされているからです。マーナーを称賛しようとすると、必ずその話題が出てきます😓

 ファンやメディアの間でも、「レギュラーシーズンでは活躍するけど、ポストシーズンでは期待外れ」という声が聞かれがち。でも、それって本当に正しいのでしょうか?🤔実は、マーナーのプレーオフ成績を数字で見てみると、その「評判」がいかに誇張されているかが分かります。

 レギュラーシーズンで見せる特徴の多くはポストシーズンでも健在で、確かに時には躍動感に欠けることもありますが、1試合あたりのプレーオフでの得点は0.90ポイント非常に高水準です。あのアレックス・オベチキン(キャリア平均0.91ポイント)とほぼ同等なんです!これはすごい👏

実は「守備」がプレーオフで伸びる男

 しかも、マーナーはプレーオフになると守備面での貢献がむしろ向上します🛡️5対5の状況での失点数は下がり、チームの失点リスクを軽減してくれる存在に。

 ここで比較としてよく挙げられるのが、多くのチームが「欲しい!」と声をそろえる選手、フロリダ・パンサーズのキャプテン、アレクサンダー・バーコフと比較してみましょう。ここ5回のプレーオフ成績を比較すると、マーナーは得点効率で上回っているんです📊(60分あたり2.48ポイント vs バーコフの2.34ポイント)。

 さらに、失点数もマーナーのほうが優秀(1.58失点/60分 vs バーコフの2.27失点)、プラス/マイナスも+11でバーコフの+3を大きく超えています。バーコフは2度もスタンレーカップ決勝に出場している選手ですから、これはかなり説得力のあるデータですね😳

マーナーの“最低限”がコネックニーの“最高”レベル?

 確かに、マーナーはプレーオフになるとレギュラーシーズンほどのスター性を発揮できないこともあります。それでも依然としてリーグ屈指の存在であり、プレーオフで得点を挙げるのは非常に難しいことを考えると、彼の数字は決して低いものではありません✨

 例えば、彼のキャリア平均を82試合換算で見ると74ポイントにまで下がってはいますが、コネックニーのキャリア最高だった2024–25シーズンの76ポイントと比較すれば、それほど見劣りするものではありません😮

 つまり「不調でも主力級」ってこと。これってすごく頼もしいですよね!コネックニーは今後8シーズンにわたって年俸875万ドルのキャップヒットを抱えている選手です。もちろん、彼がもっと優れたチームメイトに囲まれていれば、さらに得点できるという主張には一理あります。

 とはいえ、2024–25シーズンでマーナーの1.58失点/60分という守備指標に対し、コネックニーはほぼ倍増させていたことを踏まえれば、両者は帳尻が合っているとも言えるでしょう。

来シーズンは、コネクニーのこんなシーンをたくさん見たいねぇ。

 つまり、マーナーは自分の本来の姿でなくとも、プレーオフでもチームにとって必要不可欠な存在なのです。彼は依然としてスター級の得点力を持ち、そうした選手なしにスタンレーカップを勝ち取ることはできません。マーナーを獲得すれば、「プレーオフで頼れるスター」と「レギュラーシーズンで安定して勝てるチーム作り」という2つの課題を一度に解決できます👀✨。

トシェットのカリスマ性が移籍を引き寄せる⁉

 さて、ここで忘れてはいけないのが、今回の話の起点であるリック・トシェット5新監督の存在です🎤✨

 フライヤーズのGM、ダニエル・ブリエールはトシェットの“人間的魅力”をかなり強調しており、「彼の存在がFA選手を引き寄せるはず」と語っています。確かに可能性は低いですが、フリーエージェント市場での動きが誠実に行われるなら、スーパースターが「兄弟愛の街(フィラデルフィア)」にやって来るかもしれません。

 実際、トシェットという人物について確かなことの一つは、選手やファンからも「話がうまい」「信頼できる」と高く評価されていて、そのカリスマ性は間違いなく本物🔥20年以上前からNHLでコーチとして活動しており、今もその第一線にいる理由のひとつは、この“人を引き寄せる力”にあります。

本当にトシェットが“決め手”になるのか?

 もちろん、「トシェットがいるからマーナーが来る!」と断言することはできません🙅‍♂️通常、ヘッドコーチの人選では戦術の巧みさが重視されますが、スター選手を惹きつける能力も同じくらい大きな影響を持つのです。選手にとってチーム選びはお金だけじゃなく、誰と一緒に働くかも大事な要素なのです。

 マーナーにとって、トシェットの存在が魅力的に映れば、フィラデルフィア移籍も夢物語ではなくなるかもしれません🌠もしトシェットがその決断に関与していたとしたら、今回のヘッドコーチ交代はまさに“ホームラン級”の一手だったと言えます⚾💥

 今のフライヤーズは、若手の成長やドラフト指名権の豊富さもあって、将来性は抜群。でも、それだけでは勝てません😔フライヤーズはスーパースターを心から必要としており、メープルリーフスのウィンガーであるマーナーは理想的なフィットとなります。

 世間が思っているよりも、彼ははるかにハードにプレーする選手であり、それはトシェットにも高く評価されるはずです。トシェットの“ハードワーク型のシステム”にはスター選手が不可欠であり、マーナーはまさにその要件を満たす存在なのです💪🔥

まとめ:マーナー加入で変わる未来

 ミッチ・マーナーがフライヤーズに加われば、攻守に優れた万能型選手としてチームに大きな変化をもたらします。若手の成長や新監督トシェットとの相性も良い方向に向かいそうな予感もしますし、プレーオフ常連チームへの再生も夢ではありません🔥

 このオフは要注目!

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. 出典:「NHL選手投票:最高/最低の施設は?NBA風トーナメントは?シーズンは長すぎる?ベットマンは引退すべき?」The Athletic – 2025年2月5日。
    ↩︎
  2. フライヤーズがトートレラをヘッドコーチから解任した背景には、単一の理由ではなく複数の要因が絡み合っている。ダニエル・ブリエールGMは、決定が「一連の出来事」の蓄積であり、特にトレードデッドライン以降の「ここ数週間の間にエスカレートした」と説明。

     主な要因としては、以下の点が挙げられる:
     成績不振:彼の指導下での3シーズンでプレーオフ進出を逃し、特に2025年3月の終盤の失速がチームをメトロポリタン・ディビジョン最下位に沈めた。

     選手との関係:トロント・メープルリーフス戦でのディフェンスのカム・ヨークとの口論は、解任の直接的な引き金の一つとなったと報じられている。また、主将ショーン・クチュリエや若手有望株マトヴェイ・ミチコフなど、一部の選手との間で起用法や規律に関する軋轢があったとされる。

     トートレラの情熱的で時に厳しいコーチングスタイルが、現代のNHLにおける選手の管理において限界を露呈した可能性も指摘されている。

     再建に対するフラストレーション:チームが長期的な再建プロセスにある中で、トートレラ自身が「このようなシーズンで、どうコーチングするかを学ぶことにあまり興味がない」と公に発言するなど、敗戦が続く状況に対する彼のフラストレーションが蓄積されていた。

     フロントオフィスとの見解の相違:トレードデッドラインでの主力選手の放出など、チームの再建方針に関して、トートレラとフロントオフィスの間で意見の相違があった可能性も指摘されている。トートレラは競争心を重視するタイプであるため、敗戦を前提とした再建プロセスに適応しきれなかったという見方もある。

     これらの複合的な理由から、フライヤーズは「再建の次の章」に進むためには新しいリーダーシップが必要であると判断し、トートレラHCの解任に至った。
    ↩︎
  3. ここでは、アタッキングゾーン、ハウス・ゾーン、スロット・ゾーンのことを指していると思われる。アタッキングゾーンとは、相手のゴールがあるエリアを指し、得点を狙うための主要な舞台となる。このゾーンにパックを効果的に持ち込み、維持することが、攻撃の成功には不可欠。

     ハウス・ゾーンは、ゴールの真正面から少し広がった扇状のエリアで、得点に直結する最も危険なスペースとされている。多くのシュートはこのエリアから放たれ、ディフレクション(パックのコース変更)やリバウンド(ゴールキーパーが弾いたパック)からの得点も多く発生する。守備側は、このゾーンへの相手の侵入を阻止し、シュートを打たせないことを最優先する。

     スロット・ゾーンは、ハウス・ゾーンの中でも特にゴールの近く、中央に位置する狭いエリアを指す。ここはシュートが最も決まりやすい「スイートスポット」であり、パックがスロットに運ばれると、得点の可能性は飛躍的に高まる。

     攻撃側はスロットへのパスや、スロットからのシュートチャンスを常に狙い、守備側は相手にスロットで自由な動きをさせないよう、激しいポジション争いを繰り広げる
    ↩︎
  4. P/GPは、「Points Per Game(ポイント・パー・ゲーム)」の略で、選手の攻撃的な生産性を測る重要な統計である。これは、1試合あたり平均でどれだけのポイント(ゴールとアシストの合計)を獲得しているかを示す。

    P/GP=合計ポイント (ゴール + アシスト)÷出場試合数

     P/GPが高い選手ほど、チームの得点に効率的かつ頻繁に貢献していると評価される。これは、怪我などで出場試合数が少ない選手でも、その攻撃力を正しく評価するのに役立ち、異なるシーズンや時代の選手を比較する際の客観的な指標となる。
    ↩︎
  5. カナダ出身。選手時代は、フィラデルフィア・フライヤーズなどでプレーし、1992年にはピッツバーグ・ペンギンズでスタンレーカップを勝ち取った。彼は得点能力とフィジカルなプレーを兼ね備えた「パワーフォワード」として知られ、2,970のペナルティミニッツ(歴代12位)を記録するほどのタフな選手だった。

     コーチとしては、2016年と2017年にアシスタントコーチとしてピッツバーグ・ペンギンズで2度のスタンレーカップ優勝を経験。ヘッドコーチとしては、タンパベイ・ライトニング、アリゾナ・コヨーテズ、バンクーバー・カナックスを指揮。

     特に2023-24シーズンにはカナックスをパシフィックディビジョン優勝に導き、ジャック・アダムス賞(最優秀コーチ賞)を受賞している。 ↩︎
タイトルとURLをコピーしました