はじめに
NHLのレギュラー・シーズンも、いよいよ佳境です!そんな中、バンクーバー・カナックスが「奇跡」とも呼べる歴史的な逆転劇を見せました。第3ピリオド残り1分で3点差を追いつき、延長戦で勝利をもぎ取ったのです。
崖っぷちのチームが見せた底力に、会場もファンも大興奮!プレーオフ進出をかけたドラマが、ここからさらに加速します。
参照記事:SI.com1「Canucks Season Saved After Heroic Comeback」
TSN.ca2「Canucks make NHL history with 3 goals in last minute of regulation」
MotorcycleSports.net3「Unprecedented NHL History: Canucks’ 3-Goal Miracle in Final Minute Shocks Stars」
奇跡の1分間!バンクーバー・カナックスが歴史的逆転劇を演じた夜🏒🔥
2025年4月、バンクーバー・カナックスがNHLファンの記憶に残る、まさに“奇跡”と呼べる試合を見せてくれました。この試合は、アイスホッケーの魅力とドラマがすべて詰まった、まさに映画のような一夜でした。
ありえない逆転劇、その主役は…✨
相手は強豪・ダラス・スターズ。第3ピリオドの残り時間はわずか1分16秒。スコアは2対5と3点差…。普通ならここで試合終了を覚悟するところです。しかし、カナックスは違いました。そこからわずか“1分間”で3ゴールを決め、まさかの同点に追いついたのです!
この信じられない展開を導いたのが、アートゥ・ラーティ、そしてカナックスの終盤の猛攻をけん引したピウス・スーター。ラーティがちょうど1分残したところで1点を返すと、スーターが30秒後に2点目、そして残りわずか5.2秒というところで同点ゴールを決めました。観客も選手も、そしておそらくテレビで観戦していたファンも、思わず叫ばずにはいられない瞬間でした!🎉
また、ジェイク・デブラスクとヴィクター・マンチーニも第3ピリオド序盤に重要なパワープレーゴールを決め、カナックスのプレーオフ進出への望みをつなぎました。ゴールキーパーのサッチャー・デムコは23セーブを記録し、この歴史的勝利の中で重要な役割を果たしたことを忘れてはなりません。
この試合のハイライト映像です!
ヒーロー、キーファー・シャーウッドの決勝ゴール🥅
そして延長戦。試合を決めたのはウィンガーのキーファー・シャーウッド。彼は3週間前にシーズン最多ヒット数(守備時、相手にアタック!)の新記録を打ち立てたばかり。そしてこの試合でも、延長残り1分16秒でゴールを決め、カナックスを劇的な勝利へと導きました。「6対5の状況で3得点」はNHL史上初となります。
延長戦に入ってから46秒、ダラスのミッコ・ランタネンがスラッシング4の反則でペナルティを取られました。スターズはそのペナルティを守り切りましたが、延長は通常の3人対3人ではなく4人対4人5で続行され、最終的にシャーウッドが試合を決めました。
決勝ゴールのアシストを送ったのはコナー・ガーランド。ゴール裏からの絶妙なパスを、シャーウッドが完璧なタイミングでケイシー・デスミスを破ってシュート。
本人も「チームの勢いを物語っているね。“ガー”は信じられないようなプレーをしてくれた。まるでスローモーションのようで、彼が顔を上げて、完璧に僕のスティックに合わせてくれたんだ」と語るほど、絵に描いたようなプレーでした。
負けたら終わりだった…その重圧の中で
この試合はただの逆転勝ちではありませんでした。カナックスは第2ピリオド終了時点で3対0とリードを許し、第3ピリオドの残り1分を切った時点でも5対2と大きくリードされていました。もし負けていたら、昨シーズンにディビジョン優勝を果たしたカナックスは、2025年のスタンレーカップ・プレーオフから完全に脱落していたのです。まさに“崖っぷち”の試合。
カナックスのリック・トケット監督も、「これは歴史に残る試合だ。第3ピリオドでのファイトは本当に素晴らしかった。あれをやり遂げたのは、選手たちにとってもチームにとっても“キャラクター・ウィン”だったよ」とコメント。
息子からも「第3ピリオドでのみんなは去年のチームみたいだった」と言われたそうです。選手たちの諦めない姿勢が、チームに大きな力をもたらしました💪
ジェイク・デブラスクとヴィクター・マンチーニがパワープレーから得点を挙げ、第3ピリオド開始からわずか5分以内でスコアは3対2に。しかし、その後ダラスのマヴリク・ブークが残り2分45秒に追加点を挙げ、さらにミカエル・グランルンドが24秒後にエンプティネットゴールを決め、再び3点差に広がりました。
「5対2、あの時点ではもう負けだと思ったよ」とトケット監督。「でもそこから1点決めて、チームのファイトが見えた。うつむく選手なんて一人もいなかったんだ」。
ESPNの番組でも驚きを持って解説しています。以下に全文を挙げておきました。
「バックスの逆転劇6も昨夜はかなりクレイジーだったけど、カナックスはそれ以上に信じられないことをやってのけた。
試合終盤、第3ピリオドの遅い時間帯で、ダラスでスターズに5対2で負けていたカナックスは、最後の1分間で3得点をあげた——全得点、追加スケーターを使い、ゴールを空にした状態で。それで試合を延長にもつれ込ませたんだ。
リーグ史上初めて、残り1分で3点差をひっくり返したチームとなった。その後、バンクーバーは延長戦で勝利を収めた。
(フランク、昨夜のカナックスのこの出来事をどう表現する?) 「これはダラス(マーベリックス。ドンチッチの元所属チーム)とルカ(ドンチッチ。現在、ロサンゼルス・レイカーズ。移籍したばかり)の試合の前座みたいなもんだね」と前置きして、 「俺の言葉はbonkers(狂ってる)だね」と。
考えてみてよ、ダラスはホームで第3ピリオドに3点リードしてたんだ。スコアは4-2で、その後エンプティネットで1点追加して5-2。そしたらカナックスが試合終盤に3得点、ピウ・スッターが最後の2点を決めた。残り30秒で1点、そして最後の10秒以内でもう1点。そして延長で勝っちゃった。
カナックスは事実上、敗退寸前だったんだ。ミネソタとワイルドカード争いで6ポイント差があるし、シーズン終了の崖っぷち。俺の表現は「成功した必死さ」なのか「必死な成功」なのか、ハイフンつきの言葉で迷うところだけど(笑)。
あれだけの点差でゴーリーを引っ込めるなんて、シーズンを救うために背水の陣を敷いたってことだ。負けたら終わりだったからね。それにしても、あれがダラスで起きたってのがすごい。
ファイナルフォー(アメリカの大学バスケットボール=NCAAトーナメントで使われる用語で、全国大会の準決勝に進出した上位4チーム)でもよく「大崩れ」なんて話題になるけど、ホームでそれをやられたら……前代未聞だよ。リーグ史においても、今まで起きたことがなかったんだから。
最近のスポーツは本当に変わったよね。NBAは3ポイント時代、アメフトは第4ダウンでどんどん攻めにいく。サッカーもボール保持のスキルが上がって、時間稼ぎが当たり前。ホッケーでも今や6対5(ゴーリーを引いて1人増やす)が意外と効果的になってきてる。
20年前とは違って、今はこの戦術が通用する感じがある。昔は「ゴーリー引いたらもう白旗」みたいな感じで、すぐ追加点を取られて終わりだったけど、今は違う。とにかく、面白い試合だったよ」。
ダラスには受け入れがたい敗戦…
一方で、カナックスの終盤の猛攻に打ちのめされる形となったスターズにとって、痛すぎる敗北でした。ミッコ・ランタネン、メイソン・マーシュメント、マット・ドゥシェーンらがパワープレーゴールを挙げるなど好パフォーマンスを見せたものの、試合終盤のカナックスの勢いを止めることはできませんでした。
ベテランキャプテンのジェイミー・ベン(バンクーバーの西およそ70マイルにあるビクトリア出身)は、「受け入れがたい敗戦だ。この試合は終わらせるべきだった。あの場面で勝ち切る方法を見つけなければならなかった」と語り、指揮官のピート・デボア監督も「このリーグでたくさんの試合に勝ったり負けたりしてきたけど、こんな負け方は初めて」と肩を落としました。
この試合はカナックスの粘り強さを証明するだけでなく、第2ピリオド終了時点でリードを許していた試合での成績を「2勝20敗5分」にほんの少し改善する結果となりました。一方、ドゥシェーンがダラスで今季4人目の30ゴール到達者となるという節目は、カナックスの歴史的な勝利の前に影を潜めることに。
スターズはこの勝利でセントラル・ディビジョン2位を確定させることができるはずでしたが、それも水の泡に。まさに“勝利目前での大逆転負け”となってしまったのです。現在は1位のウィニペグ・ジェッツと4ポイント差で、木曜日の直接対決をホームで迎えます。
まだ終わらない、カナックスの挑戦🚨
この試合での努力は、カナックスに2ポイントをもたらしただけでなく、シーズンを救う結果となりました。もしカナックスがこの試合に敗れていたら、2025年のスタンレー・カップ・プレーオフから数学的に脱落していたことになります。敗北は、無駄に終わったシーズンに終止符を打つことになったでしょう。
この大逆転勝利で希望をつないだカナックスですが、プレーオフ進出の道は決して平坦ではありません。残り4試合を全勝しても、自力での進出は不可能。他チームの結果にも大きく左右されます。
カナックスが最終的に獲得できる最大ポイントは93です。現在、セントルイス・ブルースはすでに93ポイントを獲得しており、ミネソタ・ワイルドも91ポイントと肉薄。ブルースがもう1勝すれば、プレーオフ進出が確定します。
残念ながらカナックスは自分たちの運命をコントロールすることができません。仮に残り試合全てに勝ったとしても、セントルイスを追い越すことはできません。なぜなら、セントルイスは勝利数で7勝、規定時間内の勝利で4勝多いからです。また、カナックスが希望を持つためには、ワイルドに残り4試合のうち3試合を規定時間内で敗北してもらう必要があります。

昨シーズンがあまりにも絶好調だっただけに、今シーズンのカナックスは何か冴えなかったにゃ。チーム内の人間関係のもつれから来る移籍劇もあったし、試合中、ホッケーのパターンを読まれたような感じも…。本日、ブルースがオイラーズに敗れているので、まだ望みはある!
ダラス・スターズ戦でのカナックスの奇跡的な逆転劇は、今シーズンのハイライトとなりました。彼らはこれをきっかけに、驚きのワイルドカード進出を目指しています。それはカナックスにとっては可能性が低いことではありますが、シーズンを救った今、彼らは戦い続けています。
それでも、あのダラス戦のような“奇跡”をまた見せてくれるのでは…という期待が、ファンの中に確かに存在しています。
📝まとめ:アイスホッケーは最後の1秒までわからない!
カナックスの奇跡的な勝利は、NHLの醍醐味をまさに体現した試合でした。どんなに不利な状況でも、最後まで諦めない気持ちがあれば、どんな展開も起こり得る。それがアイスホッケーというスポーツの魅力です。
今後の試合も、どんなドラマが待っているのか…。プレーオフ進出をかけたカナックスの挑戦から、まだまだ目が離せません!👀🏒

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 米国の老舗スポーツメディア「Sports Illustrated」の公式サイトで、NFLやNBAなど主要スポーツの最新ニュースや分析記事を提供。深掘りした特集や話題の水着特集も人気。
↩︎ - カナダの大手スポーツ専門チャンネル「The Sports Network(TSN)」の公式サイトで、NHLやカナダのスポーツを中心に、最新ニュース、試合速報、選手情報を幅広く発信。
↩︎ - MotoGPやスーパーバイク(WSBK)など二輪モータースポーツのニュースを専門に扱うサイトで、レース速報、選手インタビュー、テクニカル分析などを多言語で提供。
↩︎ - 相手選手にスティックを振り下ろす行為。具体的には、相手の体やスティックに不必要に強くスティックを当てることで、ペナルティが科される。通常、2分間のペナルティだが、悪質な場合は5分間のメジャーペナルティや追加のペナルティが課されることもある。スラッシングは、選手に怪我を負わせる危険性が高いため、厳しく取り締まられている。
↩︎ - 試合終了時点で同点であった場合、延長戦は通常3人対3人のプレーで行われる。両チームがそれぞれ3人の選手でアイスリンクに出て、ゴールを決めるために戦う形式となる。延長戦は通常、5分間行われ、もしこの間に得点が決まれば、その時点で試合は終了。
しかし、4人対4人になる場合も発生し、延長戦開始前、両チームともにペナルティを受けている場合がそれに該当する。この場合、選手数が3人対3人の状況に加えて、ペナルティを受けた選手たちの分も含めて、アイスリンクに4人対4人でプレーすることになる。
例えば、片方のチームが1人の選手をペナルティボックスに入れているとき、もう片方のチームもペナルティを受けていれば、両チームがそれぞれ4人の選手でプレーすることになる。また、ペナルティ時間が終了後、再び3人対3人に戻る。
ただし、今回のように、第3ピリオド終了時に氷上の人数が6人(カナックスがエンプティネット、つまりゴールキーパーをベンチに下げ、フィールドプレーヤー6人とした場合)対5人だったため、延長戦開始時に選手数は4人対4人となったのである。
今回の延長戦では、スラッシングでペナルティを受けた選手が戻るタイミングで人数が元に戻るため、ペナルティが解除されると両チームは再び同じ人数(4人対4人)でプレーを続けることとなった。
↩︎ - 4月9日、ミルウォーキー・バックスは、NBAでの驚異的な逆転劇を演じ、ミネソタ・ティンバーウルブズを相手に110-103で勝利を収めたこと。この試合は、チームが第4クォーターで24点のビハインドを逆転するという驚くべき展開。
残り10分を切った時点で、スコアはティンバーウルブズが95-71とリードしていたが、バックスは39-8の爆発的なランを見せた。 ↩︎