はじめに
パンサーズはどうしてしまったのでしょう。スタンレーカップ決勝・第6戦、エドモントン・オイラーズが5-3でフロリダ・パンサーズに勝利し、遂に対戦成績を3勝3敗のタイに持ち込みました。第1ピリオド、パンサーズは完璧に抑えられ、出鼻を挫かれた感がありました。
NBAも終わり、シーズン継続中なのはNHLだけ!皆さん注目しましょう!そのついでに、ドラフトやトレードのニュースを目を配っていただければ、さらに嬉しいのですが…。今回はトレード&契約更新情報に焦点を当てた記事です。
間もなくFA資格を手にする主力選手、チーム改革の中で、着るべきか否かを検討されるベテラン選手、長引きそうなケガと、残りの契約期間の長さもあって、簡単に引退勧告へと進まないチームのキャプテン、人生いろいろです。
ベテランの動向は、まもなく開催されるドラフト戦略にも影響するんだにゃ。
せっかく即戦力を獲得しても、計算できるベテランとの兼ね合いから、
泣く泣く下部組織チームに行かせなきゃいけなくなってしまう。
それで若い芽を摘んでしまったりするんだなぁ。
引用元:The Hockey News.com「 NHL Rumor Roundup: The Latest on Pavel Buchnevich, Logan Couture and Cam Atkinson 」
セントルイスのベテラン、去就やいかに
スタンレーカップ決勝戦はまだ終わっていませんが、NHLドラフトとフリーエージェントの開始まで2週間を切ったため、オフシーズンの憶測が本格化しています。
その憶測の中には、セントルイス・ブルースのパベル・ブフネビッチ(29歳、右ウィング)、サンノゼ・シャークスのキャプテン、ローガン・クートゥア(35歳、センター)、
フィラデルフィア・フライヤーズのウィンガー、キャム・アトキンソン(35歳、右ウィング)が関わっています。
セントルイス・ブルースでのパベル・ブフネビッチの将来は、3月のNHLトレード期限まで憶測の対象となっていました。29歳のウィンガーの契約はあと1年残っており、年俸上限は580万ドル(日本円で約9億3千万円)となっています。
4月、ザ・ホッケー・ニュースのルー・コラック記者は、ブルースのGMダグ・アームストロングがブフネビッチとの契約延長に興味を示していると報じました。
アームストロングがウインガーに6年から8年の契約をオファーし、平均年俸は700万ドル(約11億2千万円)から800万ドル(約12億8千万円)になるのではないか、とコラック記者は推測しています。
月曜日、アームストロングは、記者団に対し、ブフネビッチ陣営との交渉は「非常に順調なものだった」と語りました。同監督は、契約開始時にブフネビッチが30代に入っていることを認めています。
「彼が30代から30代半ばの間に1プレーしたい場所、その期間がどんなものであれ、我々は彼に契約情報を提供しなければならない」とアームストロングは言いました。
アームストロングはまた、アレクサンダー・スティーン2もその協議に参加していることを強調しています。スティーンは現在GMの特別補佐を務めており、2年後にアームストロングの後任となる予定です。
セントルイス・ポスト・ディスパッチ紙(セントルイス都市圏最大の発行部数を誇る日刊紙)のマシュー・デフランクス記者は、
最近の契約の比較対象として、ウィニペグ・ジェッツのマーク・シャイフェル(31歳、センター)とバンクーバー・カナックスのJ.T.ミラー(31歳、センター/左ウィング)を挙げました。
シャイフェルは2024-25シーズンに向けて年平均850万ドル(約13億6千万円)の7年契約を締結し、ミラーは平均年俸800万ドルの7年契約の1年目のシーズン(23-24シーズンのこと)を迎えています。
うーん、この2選手との比較は、やや無理あるような気するにゃ。
2選手の働きによって、所属チームは今シーズンに躍進した訳だし。
ブルースが思い切ってブフネビッチを切れないということは、
若手への切り換えがあまり進んでいないということかもしれない。
シャークスのキャプテン、故障が全てに影響…
サンノゼ・シャークスに目を向けると、(ザ・ホッケー・ニュースの)マックス・ミラー記者は、GMのマイク・グリアがライアン・ワルソフスキー監督の就任記者会見の終わり近くに、ローガン・クートゥアに関するトレードの噂を一蹴する機会を得たと報じました。
「それは絶対に嘘だ」とグリアは言い、35歳のセンターのリーダーシップとシャークスにとっての価値を称賛しています。「彼は今でも素晴らしいホッケー選手だ。だから、私がキャプテンをトレードしようと考えているデマなんて、君たちはもう頭の中から消してくれ」。
クートゥアは2023-24シーズン、恥骨炎という症状のため、6試合を除くすべての試合を欠場しました。彼の契約は残り3年で、年俸上限は800万ドルとなっています。
マーキュリー・ニュース(カリフォルニア州サンノゼ、サンフランシスコ・ベイエリアで発行されている朝刊紙)のカーティス・パシェルカ記者は、クートゥアの症状と契約を考えると、グリアが望んだとしても移籍はほぼ不可能だと指摘しました。
フライヤーズはベテラン・ウィンガーとゴールキーパーをどうするか
シャークスといえば、スポーツ中継局・TSNのダレン・ドレーガー記者によると、シャークスがキャム・アトキンソンに興味を持っていると報じています。しかし、フィラデルフィア・フライヤーズ所属の35歳のウィンガーは、サンノゼ行きに熱心ではありません。
アトキンソンの契約はあと1年残っており、年俸上限は588万ドル(約9億4千万円)、10チームとのトレード拒否条項(チームが本人の同意なしに選手をトレードできないという契約条項に、行きたくないチームのリストを盛り込める)があります。
今月初め、フライヤーズのダニエル・ブリエールGMは、アトキンソンとゴールキーパーのカル・ピーターセン(29歳。契約年数はあと1年。今シーズン5試合出場のため、トレードの可能性も)との契約を買い取ること(契約延長)を含め、
クラブがあらゆる選択肢を検討中だと話しました。
ドレーガーはアトキンソンのバイアウト(手放す)が選択肢として残っていることを示唆していますが、フライヤーズは来シーズンもベテラン・ウィンガーを残留させる可能性があるとも述べました。
また、トレードを円滑に進めるために、アトキンソンの年俸上限額のかなりの部分を、チームが保有する用意をしている(トレードで別のチームへ譲渡するが、年俸の何割かをフライヤーズが支払うので、相手チームの負担は少ない)とも報告しています。
まとめ
アトキンソンより、ピーターセンのトレードはあるんじゃないでしょうか。シーズン最終盤、ここぞという時に得点できなかったフライヤーズのフォワード陣を強化するためには、ほぼ戦力構想外で、他チームならキーパーとしてまだ使える29歳は、格好のトレードの駒です。
アトキンソンも、ずっとフライヤーズを見てきたファンからすれば、年俸の割に働き具合の弱い印象(70試合、13ゴール・15アシスト)を受けます。チームのまとめ役として、もう1シーズン残すか…、冷徹な現監督がそれを認めるとは思えません。
クートゥアの場合、契約年数残り3年がネックです。契約条項の内容いかんにもよりますが、ここで彼が引退しても、サラリーを払い続けるとなっていると、チームとしてはかなりの出費。チーム大改革断行中のシャークスには頭痛の種であることに違いありません。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】