はじめに
NHLオールスターゲームが間もなく開幕します!日本では、相変わらず2月19日開催のNBAの方に視線が集中していて、これは仕方ないことでしょう。日本人選手がいますからね。
YouTubeに現地の盛り上がりを伝える映像がアップされており、そちらをご覧いただければ、決してNBAに引けを取っていないと思うのですが…。フィールド・プレーヤーは向こうも5人、こちらも5人、スピード感もパワフル感もガップリ四つなのに。
さて、ファン投票で選手を選ぶまでは、日本でもよくある光景です。NHLやNBAの違うのは、キャプテン格の選手が他の選手をドラフト指名して、チームメイトにする点です。今回は、そのドラフト指名を予想する番組と、その予想内容についての記事になっています。
NHLのレギュラー・シーズン日程を見ると、
オールスターのイベント開幕日である2月1日まで試合しているチームがあるんだにゃ。
1日の試合数を多くして日程詰め込んだ割には、何か余裕がないというか、
チーム間に不公平感は生まれないのだろうか。
引用元:NHL.com「2024 NHL All-Star Player mock draft」
今年のオールスターには、「ドラフト」の楽しみがある!
ティム・ホートンズNHLオールスター・プレーヤードラフトには多くの「陰謀」が潜んでいます。
最初に選ばれるプレイヤーは誰でしょうか?誰が最後になるでしょうか?どのゴールキーパーが最初に選ばれるのか?トロント・メープルリーフスの4人全員が同じチームでプレーすることになるのでしょうか?そして、バンクーバー・カナックスの5人はどうなるのでしょうか?
これらの質問は、2月1日・木曜日(東部時間午後6時、ESPN2、SN、TVASで放送)に回答される予定です。チームキャプテン、アシスタントキャプテン、そしてセレブリティ・キャプテンの順で見ていくと、オーストン・マシューズ、モーガン・ライリー、ジャスティン・ビーバー1/
ネイサン・マッキノン、ケイル・マカー、テイト・マクレー2/コナー・マクデイビッド、レオン・ドライサイトル、ウィル・アーネット3/ジャック・アンド・クイン・ヒューズ、マイケル・ブーブレ4達が他の選手をドラフト指名します。
しかし、NHL.comのライター、編集者、そして数人のゲストは、2月3日(東部時間午後3時、ABC、ESPN+、SN、CBC、TVASで放送)の2024年ホンダ(米国)/ロジャース(カナダ)オールスターゲーム本番に向けての選手ドラフトがどうなるかを知るために、木曜まで待ちきれませんでした(つまり、一足早くドラフト予想を試みた)。
ドラフト予想のルール
NHL.com編集者のショーン・P・ロークとエリック・マリンがチーム・マシューズに、NHL.com編集長ビル・プライスとNHLパワープレーヤー5のリアム・ケイブンがチーム・マッキノンに、
NHL.comスタッフライターのデビッド・サトリアーノと、元NHLゴールキーパーで現在NHLネットワーク・アナリストのコリー・シュナイダー6がチーム・マクデイビッドに、
NHL.com「ファンタジー・オン・アイス・ポッドキャスト7」の司会者ピート・ジェンセンとアンナ・ドゥアがチーム・ヒューズに、それぞれ担当を割り当てられています。
指名順はロークとマリンが1番、プライスとケイブンが2番、サトリアーノとシュナイダーが3番指名、ジェンセンとドゥアが4番指名となりました。
各キャプテンは、スネークドラフト形式で9人の選手(スケーター7人、ゴールキーパー2人)を選出し、11人のロースター(選手名簿)を完成させました。
3対3で試合することもあって、前線の3人、フォワード中心のドラフトになるんだにゃ。
長距離砲の打てるパワフルな選手を獲るか、ひらりと相手をかわし、
小技で得点できる選手を選ぶか。それぞれの好みが分かれるところに、面白さがある。
4チームのロースター予想はこれだ!
注:このドラフトは、負傷したジャック・ヒューズの代わりにニュージャージー・デビルズのチームメイトであるイェスパー・ブラットがオールスターに出場し、
チーム・ヒューズの副キャプテンとしてバンクーバー・カナックスのフォワード、エリアス・ペターソンの出場が決定する前に行われました。
各ロースターを選択順に示します。
メープルリーフス軍団、オールスターにも登場!
チーム・マシューズ(青色のジャージ)
(ショーン・P・ローク、エリック・マリン)
オーストン・マシューズ、F、トロント・メープルリーフス(キャプテン)
モーガン・ライリー、D、トロント・メープルリーフス(アシスタント・キャプテン)
ジャスティン・ビーバー(セレブ・キャプテン)
ウィリアム・ナイランダー、F、トロントメープルリーフス(1巡目指名)
エリアス・ペターソン、F、バンクーバー・カナックス(2)
フィリップ・フォースバーグ、F、ナッシュビル・プレデターズ(3)
クレイトン・ケラー、F、アリゾナ・コヨーテズ(4)
カイル・コナー、F、ウィニペグ・ジェッツ(5)
ジェイク・エッティンガー、G、ダラス・スターズ(6)
セルゲイ・ボブロフスキー、G、フロリダ・パンサーズ(7)
トーマス・ハートル、F、サンノゼ・シャークス(8)
ロバート・トーマス、F、セントルイス・ブルース(9)
キャプテンの分析:最初の指名で、ナイランダーを選ばなければなりませんでした。ビル・プライスが雄弁に述べていたように、我々(ロークとマリン)は「キャプテン・オブビアス8」であり、「副キャプテン・オブビアス」でした。
我々はメイプルリーフスのファミリーをまとめようとしただけでなく(外れたミッチ・マーナーには悪いが)、ナイランダーは最もスキルの高い選手の一人だから指名したのです。
熟練した選手と言えば、リストに挙げられている次の2人、ペターソンとフォルスバーグについて話しましょう。うわっ、ここにはかなり攻撃的な才能が揃ってしまいましたね。
ここまでの指名を見ると、メープルリーフスからの代表とスウェーデンからの代表が続いた訳ですが、次にアリゾナからの代表を指名してはどうでしょう?そこで、マシューズがオフシーズンごとにスケートをしている(つまり、合同自主トレ)選手でもある、コヨーテズのケラーを選択してみました。
(カイル・)コナーは、今回、ケガによる出場辞退選手の代わりですが、それは彼自身がシーズンの大半を棒に振りかねない怪我(膝の怪我で16試合欠場)をしたからに他なりません。しかし、彼はとても優れたゴール・スコアラーであり、オールスターに出るべき選手です。
この試合でゴールキーパーが明らかに重要であり、エッティンガーとボブロフスキーのワンツーパンチが力を発揮してくれると信じています。スタンレーカップ・プレーオフでのそれぞれの活躍を見てきました。
最後に選択した2名は、ハートルとトーマスです。冗談だろうって?我々は(この指名に)絶対的な強い自信を持っています。このチームは(この2人を中心とした)二頭立ての荷馬車です!
チーム・ブルーは地元とのつながりからすでにファンのお気に入りでしたが、チーム・ブルーが土曜日に勝つべきチームであることは疑いの余地がありません。–ロークとマリン
トロント軍団が中心となって試合をドライブすると思うし、
確かに強そうな面子ではあるにゃ。
本番でハートル(サンノゼ)、トーマス(セントルイス)の渋いプレーにも注目したい!
ディフェンス2名指名はウチだけさ!
チーム・マッキノン(黄色のジャージ)
(ビル・プライス、リアム・ケイブン)
ネイサン・マッキノン、F、コロラド・アバランチ(キャプテン)
ケイル・マカー、D、コロラド・アバランチ(副キャプテン)
テート・マクレー(セレブ・キャプテン)
シドニー・クロスビー、F、ピッツバーグ・ペンギンズ(1巡目指名)
ミッチェル・マーナー、F、トロント・メープルリーフス(2)
イゴール・シェスターキン、G、ニューヨーク・レンジャーズ(3)
ラスムス・ダーリン、D、バッファロー・セイバーズ(4)
キリル・カプリゾフ、F、ミネソタ・ワイルド(5)
ヴィンセント・トロチェック、F、ニューヨーク・レンジャーズ(6)
ニック・スズキ、F、モントリオール・カナディアンズ(7)
フランク・バトラノ、F、アナハイム・ダックス(8)
アレクサンダー・ゲオルギエフ、G、コロラド・アバランチ(9)
キャプテンの分析:クロスビーを1巡目の指名で9獲得するのは簡単でした(わかっていたよ、キャプテン・オブビアス)。彼はNHL史上最も偉大な選手の一人であるだけでなく、マッキノンと同じくノバスコシア州出身なので、これは自然な成り行きだったのです。
次の指名でマーナーを獲得したのは、チーム・マシューズにおける「メープルリーフスの再結成」を邪魔するためであり、次にシェスターキンを獲得し、最高のゴーリーを手に入れました。
最初から4巡目までの締めくくりとして、ダーリンを指名し、我々はディフェンスを2人指名した唯一のチームとなっています。そして、トップ5(5巡目指名まで)は、3対3のフォーマットで活躍するはずの爆発力を持つカプリゾフで締めくくりました。
トロチェックはフェイスオフが得意で、このイベントでポゼッションを維持するのに役立つでしょう、彼を6巡目で指名できたのお買い得でした。そしてスズキとバトラーノを指名して得点力を強化してあります。そして、アレクサンダル・ゲオルギエフというアバランチの3人目のメンバーが加わりました。
率直に言って、我々のチームには、ロースター指名の上から下まで見渡すと、どの選手にも二刀流(攻守両方できる)の才能があり、マッキノンとクロスビーという2人のレジェンド、2人の素晴らしいゴールキーパー、そしてNHLで最高の攻撃的ディフェンスマン2人が揃っています。–プライスとケイブン
連勝街道まっしぐら!エドモントン組中心のチーム
チーム・マクデイビッド(白色のジャージ)
(デビッド・サトリアーノ、コリー・シュナイダー)
コナー・マクデイビッド、F、エドモントン・オイラーズ(キャプテン)
レオン・ドライサイトル、F、エドモントン・オイラーズ(副キャプテン)
ウィル・アーネット(セレブ・キャプテン)
デビッド・パストルナク、F、ボストン・ブルーインズ(1巡目指名)
サッチャー・デムコ、G、バンクーバー・カナックス(2)
サム・ラインハート、F、フロリダ・パンサーズ(3)
マシュー・バーザル、F、ニューヨーク・アイランダーズ(4)
アレックス・デブリンカット、F、デトロイト・レッドウィングス(5)
トラビス・コネクニー、F、フィラデルフィア・フライヤーズ(6)
トム・ウィルソン、F、ワシントン・キャピタルズ(7)
カム・タルボット、G、ロサンゼルス・キングス(8)
ブーン・ジェンナー、F、コロンバス・ブルージャケッツ(9)
キャプテンの分析:ナイランダーとクロスビーが他に指名されたため、パストルナクとクチェロフの一騎打ちとなりました。我々はパストルナクを選択し、過去5シーズンのNHL得点王となった4人のうち3人を獲得したことになります。
そして、我々はこのドラフトの場を混乱させようと思って、勝利数、平均失点率、セーブ率でトップクラスの選手であるデムコを、最初のゴールキーパー指名で獲得することにしました。
次の指名では、今シーズンNHLで2位のゴール数を記録し、キャリア最高のシーズンを送っているラインハートと、パックを配給できるバーザルを指名しました。
そして、マクデイビッドのジュニア時代のチームメイトで、オンタリオ・ホッケーリーグのエリーでプレーしていたデブリンカットとコネクニーとなります。
最後の3人の指名を見ると、ウィルソンとジェンナー獲得により、チーム全体に紙やすりをかけて形を整え、2番目のゴールキーパーとしてタルボットを獲得し、ドラフトで最もバランスの取れたチームを形成したのです。–サトリアーノとシュナイダー
留まるところを知らない連勝街道を行く、エドモントン組中心のチームだから、
イケイケホッケーを見せてくれるかもにゃ。
ハードなプレーヤー、ワシントンのウィルソンが、
オールスターだろうがお構いなしのチャージをかますと予想。
指名順が4番目でも逸材揃い!
チーム・ヒューズ(赤色のジャージ)
(ピート・ジェンセン、アンナ・ドゥア)
ジャック・ヒューズ、F、ニュージャージー・デビルズ(キャプテン)
クイン・ヒューズ、D、バンクーバー・カナックス(副キャプテン)
マイケル・ブーブレ(セレブキャプテン)
ニキータ・クチェロフ、F、タンパベイ・ライトニング(1巡目指名)
ブレイディ・トカチュク、F、オタワ・セネターズ(2)
コナー・ヘレビュイック、G、ウィニペグ・ジェッツ(3)
J.T.ミラー、F、バンクーバー・カナックス(4)
セバスチャン・アホ、F、カロライナ・ハリケーンズ(5)
ブロック・ボーザー、F、バンクーバー・カナックス(6)
エリアス・リンドホルム、F、カルガリー・フレームス(7)
ジェレミー・スウェイマン、G、ボストン・ブルーインズ(8)
オリバー・ビョークストランド、F、シアトル・クラーケン(9)
キャプテンの分析:クチェロフを獲得することで、指名順4番目でありながら、入手可能な選手の中でも最高の存在を選べたと思っています。
そして、アメリカ代表育成プログラム出身のクインと元チームメイトであり、2018年NHLドラフトでトップ10指名を受けたパワーフォワードのブレイディ・トカチャックを指名しました。
その後、ヘレビュイックとスウェイマンという、米国生まれのゴールキーパーの優れたタンデムをドラフトできています。クインとカナックスでチームメイトである、ミラーとボーザーの2人を獲得するチャンスも逃しませんでした。
そしてハリケーンズのアホというメトロポリタン・ディビジョンのエリート・センターを、確実に獲得しています。リンドホルムが「二刀流(攻守両方可能)」で試合に臨めることにについて、それによる利点をも気に入っています。
そして最後になりましたが、最後の指名でビョークストランドを獲得できたのは幸運でした。ビョークストランドは、フォワードのフランス・ニールセン(2017年)とゴールキーパーのフレデリック・アンデルセン(2020、2022年)に続き、NHLオールスターゲームに出場した3人目のデンマーク出身の選手となります。–ジェンセンとドゥア
まとめ
赤ジャージのチーム・ヒューズは、ジャック・ヒューズの欠場、それに伴う選手の入れ替えがあるとはいえ、このドラフト予想通り「チーム・バンクーバー」となると思われます。開幕でエドモントンを叩き潰したバンクーバー軍団の力が、オールスターでも発揮されるでしょう。
その屈辱がバネになったか、目覚めたエドモントンが現在無敵の16連勝中。そのエドモントン組が、これに近いメンバーを揃えたと仮定すると、一番バランスが取れているように見えます。
チーム・マッキノンのようにディフェンス2枚を有するチームも、手堅く勝ちを拾えるという意味で、本当に出てくるのではないでしょうか。
一番注目しているのは、実は選手じゃなくて、ジャスティン・ビーバー^^;。大のトロント・ファンで有名な彼がドラフトに加われば、ほぼ予想通りの選手構成で来ると思います。セレブ・キャプテンですからね、「エンプティ・ネット、ドンドン行こう!」と言い出したりして…。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 説明するまでもない、カナダ出身の世界的売れっ子アーティスト。トロント・メープルリーフスの熱心なファンとしても知られる。お騒がせアーティストのイメージが強い時期もあったが、結婚後、少し落ち着いた感もある。
↩︎ - カナダ、カルガリー出身のシンガーソング・ライターであり、ダンサー。前述ビーバーのバックで踊った経験もある。YouTube、TikTokで2022年のデビューのきっかけを掴み、2023年、セカンド・アルバム『think later』をリリース。
↩︎ - カナダ、トロント出身の俳優、声優。最近は声優での活動が主か。日本では映画『ミュータント・タートルズ』のプロモーションで来日しており、そのイメージが強いかもしれない。フィギュア・スケーターの映画で、スケートの腕前も披露。
↩︎ - カナダ、バーナビー出身の俳優、歌手。2010年、バンクーバーオリンピックの閉会式では、カナダの準国歌とされる「ザ・メイプル・リーフ・フォーエヴァー」を歌った経験もある。バンクーバー・カナックスのファン(らしい)。
↩︎ - リーグが若いホッケー・ファンを選出し、彼らの世代にとって重要なホッケー関連のトピックについて、リーグにアドバイスしてもらうことに重点を置いた取り組みのこと。
↩︎ - 米国、マサチューセッツ州マーブルヘッド出身、37歳。昨シーズンまで現役として活躍。2004年のドラフト全体26位でバンクーバーに指名されており、今回のオールスター開催地カナダとの縁は深い。
↩︎ - ファンタジー・オン・アイスとは、プロ・チームに実在する好きな選手を集めて<空想(ファンタジー)チーム>を作り、選手達の成績をポイント化して競うオンライン・スポーツ。シュミレーションゲームのホッケー版。
このポッドキャストは、ライバルでもある全てのプレーヤーより優位に立つための知識とアドバイスを届ける番組。
↩︎ - 言わなくてもわかりきっていること、当たり前のことを、わざわざ口にしたり忠告したりする人に対して、皮肉を込めていう俗語。
この場合、オールスターはトロント開催であり、メープルリーフスの選手で固めていくのが当たり前と判断したことを指し、それを別チームのプライスから指摘されたことを言う。
↩︎ - 先に指名するチーム・マシューズがトロントの選手で固めるのは分かりきっていたので、チーム・マッキノンとしては、どのチームも欲しがるクロスビー獲得は確実と踏んでいた。想定内だったことを言う。 ↩︎