はじめに
バスケW杯での日本男子代表の活躍は、多くのバスケ・ファンを開拓しただけでなく、様々な国でバスケが盛んであることも印象付けてくれました。この裾野の広さはいずれサッカーを追い抜くのではないか、という気さえしてきます。
日本のBリーグも、その発展を助けていく存在になれば嬉しいですね。
さて、アイスホッケー。このブログでも伝えている通り、なかなかW杯が復活しません。たとえ復活しても、参加国が少なく、世界的規模という感じがしないのも悩ましいところ。ただ、NHLは「グローバル・シリーズ」と銘打って、世界中にアイスホッケーを広めようと頑張っています。
今月末にプレシーズン・マッチが、初上陸地・オーストラリアで行われます。そのグローバル・シリーズについて、副コミッショナーの口から興味深い発言が出てきました。
盛んな国と言えば、ロシア、東欧に集中していて、
当然とはいえ、暑い国でやってないんだにゃ。
ヨーロッパでもう少し広まれば、いいんだけど。
サッカーと似てるから、イングランド辺りは流行りそうな気もするけど。
引用元:NHL.com「NHL considering more unique destinations after Global Series — Melbourne」。
オーストラリア以外にも開催地候補がある?
NHLのビル・デイリー副コミッショナーは、今年9月、初めて南半球にチームを(試合開催で)招待するための最終準備を続ける中、将来、プレシーズンゲームを開催できる他のユニークな国際都市をすでに検討していると述べました。
ロサンゼルス・キングスとアリゾナ・コヨーテズは、9月23日と24日にオーストラリアのメルボルンで行われる、2023NHLグローバルシリーズのプレシーズンゲームに出場します。2チームは全豪オープンテニスの本拠地ロッド・レーバー・アリーナでプレーします。
※ロッド・レーバー・アリーナ=オーストラリア、ビクトリア州メルボルンのメルボルン・パークにある屋内競技場。2000年1月、オーストラリアの伝説的プレーヤー、ロッド・レーバーを称えて、現在の名称となる。
生涯を通じて「2度」の年間グランドスラムを成し遂げた選手は、男女を通じてレーバー1人だけである。収容人数は最大14,820人。
デイリーは「国名を出すつもりはないが、他にもまだNHLのチームや試合を行っていない場所があって、それらがユニークな機会を提供してくれていると考えており、模索している最中なんだ」と述べています。
「我々が下すあらゆるビジネス上の意思決定と同様、リーグとしても創造的でありたいと思うし、少し変化をつけたいと思っているんだ」。
「国名を出すつもりはないが」って勿体ぶらないで、教えてほしいにゃ!
おそらく中国は候補に挙がっていると思う。
NHLが選手育成を援助しているという話も聞くし。
※中国とアイスホッケーについては、こちら↓。
視線はヨーロッパにあるようだが…
2007年以来、NHLはスウェーデン(ストックホルム、ヨーテボリ)、チェコ(プラハ)、フィンランド(ヘルシンキ、タンペレ)、ドイツ(ベルリン)、イングランド(ロンドン)でレギュラーシーズンの試合を行っています。
11月16日から19日までスウェーデンで開催される2023年グローバルシリーズで、ミネソタ・ワイルド、トロント・メープルリーフス、オタワ・セネタース、デトロイト・レッドウィングスがそれぞれ、ストックホルムのアヴィーチーアリーナで2試合を行います。
※アヴィーチーアリーナ=11月のグローバルシリーズも含め、詳しくはこちら→☆。
NHLが、レギュラーシーズンの試合で4チームを海外に派遣するのは初めてとなります。
※レギュラーシーズンの試合で4チームを海外に派遣=2017年、「グローバル・シリーズ」と改名してからは初。それ以前、2011年まで行われていた「NHLプレミア」では、4チーム派遣しているパターンも多い。
2010年には6チームがヨーロッパ各国を回り、レギュラー・シーズン開幕戦に臨んでいる。
デイリーは「海外で行った試合が全て、エキシビションゲーム、プレシーズンゲームであった時期もありました」と振り返りました。「我々は成長とともにそのモデルを進化させ、人気も高まっており、今後もそうあり続けると思っている。
そのうち、他のヨーロッパ市場でもレギュラーシーズンの試合を開催するようになるでしょう。我々は機敏でなければならず、需要に合わせて戦略を調整し、物件を成長させ続けなければならないと思います」。
仕方ないとはいえ、アヴィーチーアリーナにやや集中してるんだにゃ。
日本にもアリーナあるんですが…、札幌ドームとか。
あそこ、全面アイスリンクにするなんてどう?
オーストラリアは昔からアピールしてた!
デイリーによると、NHLはすでにオーストラリアのファンから強い関心を寄せられており、ロッド・レーバー・アリーナでは2回の満員御礼を予想していると述べています。
「(他国へ)チームや試合を持ち込むという我々の決定は、多くのファン層を構築しようとするものであり、ビジネスを構築し成長させようとするものだ」とデイリーは述べました。
「オーストラリアにはその機会があると考えています。おそらく10〜15年前から、オーストラリアは我々に猛アピールをしてきて、国へNHLの試合を行わせようとしてきていたんだ。
時間がかかり、費用もかかるため、全体的なスケジュールのどこに合わせるかは重要な決定になります。これらはすべて、試合のスケジュールを組むために、私たちが乗り越えてきた課題です」。
彼の目標は、NHLにとって、オーストラリアが(何度も)戻ってこられる市場であると証明することです。
まずは市場調査から
「オーストラリアでファンベースを拡大し、同国でビジネス拠点を育てることに成功したら、それをローテーションの定期的な一部に組み込んでいきたい」とデイリーは述べています。
「毎年という意味でないことは分かっているが、しかし、少なくともオーストラリアでの試合はレギュラー化していきたい。オーストラリアでのプレシーズン2試合から始めて、レギュラーシーズンの試合をするために2チームを連れてこないというのは、非常に意図的なことなんだ。
市場を少し試運転してみているところさ。(オーストラリア国内の)関心の度合いを見て、あるいは自分がどの程度の関心を(同国に対して)築けるかを見て、そこから進んでいこうと思っている」。
まとめ
オーストラリアのように、やっぱ猛烈にアピールしないと、NHLのような大きな組織は見向きもしてくれないようです。スポーツ・エンターテインメントの一つとして、NHLの試合を呼ぼうとしているのか、あるいはオーストラリア内に新リーグを立ち上げるための布石なのか。
デイリーの話を読んでいると、ビッグ・ビジネスのニオイがしなければ、わざわざプレシーズンやシーズン中に選手を派遣する訳はないので、オーストラリアはチケット販売もかなり進んでおり、スムーズに商談を進めやすい土壌ができているようです。
日本にはビジネスどころか、アイスホッケーを盛り上げようとする国全体のムードも、今ひとつ。アジアリーグアイスホッケーも、1チームがリーグ戦に不参加と悲しいニュースが入ってきています。さあ、どうする、ニッポン!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!