はじめに
22-23シーズン開幕前、まだスタートしたばかりのこのブログで、今回の主役であるシェーン・ライトを取り上げました。まだ、その頃は「期待の若手に違いないが、出てくるまで時間がかかるかもしれない」という予測の方が多かったと記憶しています。
実際、まだまだプロの体つきになっていないライトは、試合でも当たり負けしていたし、スピードにも付いていけてませんでした。「チームが好調だから、今はじっくり鍛えて、来シーズンに期待かな」と、ほとんどのクラーケン・ファンは思ったはずです。
ところが、12月6日(火曜日)に行われたカナディアンズ戦に出場して初ゴールを記録、スタミナも付いたのか、リンク上でのプレー時間も大幅に増えました。
しかも、対戦相手のカナディアンズは、ライトのプロ入り前から何かと因縁浅からぬチーム。初ゴールという記念すべき仕事を成し遂げる時、そういう相手に不思議と巡り合わせるものなのです。
今の勢いでいけば、プレーオフ圏内も夢ではないクラーケン、若武者の登場は必ず追い風になるでしょう。
将来、ライトは、若手の新星マティ・ベニアーズと
良いコンビになるんだろうにゃ。
引用元:ESPN.com「Kraken’s Shane Wright scores first NHL goal against Canadiens」。
未来ある18歳の若武者、遂に初ゴール!
NHL初ゴールを記録!そして、1位指名で獲得できたかもしれないチーム(カナディアンズのこと、詳細は後述)を相手に、NHL初ゴールを決めたのです!
12月6日(火曜日)、シェーン・ライト(センター、18歳)が記録したものであり、シアトル・クラーケンが4対2で敗れたモントリオール・カナディアンズ戦(クライメート・プレッジ・アリーナ)で、初ゴールを決めたのです。
※クライメート・プレッジ・アリーナ=ワシントン州シアトルのダウンタウン北部、シアトル・センター内にある屋内競技場。クラーケンのホーム。
「僕にとって一番大事なのは、それが僕の初ゴールだということだと思ってるよ。それが最も重要な部分なのさ。(初ゴールを取られた)相手がどこであろうと関係ないよ」とライトは述べています。
「一般的に言って、NHLで最初のゴールを決めたときの感覚は、いつも信じられないようなものなんじゃないかな。一番記憶に残るものだよね」と語っています。
ということは、カナディアンズと対戦することに、ライトはまったく何も思わなかったのだろうか?
ライトは「たぶん、少しはね」と語りました。「ただ、他のホッケーの試合と同じように考えているよ。僕にとっては、身体のコンディションを整えてから、その最初の試合ということでより重要だったと思うよ」と語りました。
ライトの初ゴールは、NHLで初めて得点を挙げた選手に対する、一般的な敬意をもって迎えられました。その歓迎の背景には、彼の始まったばかりのキャリアの中でも、より印象的な瞬間のひとつになりそうなことが、さらに強調されていたのです。
ドラフト会議がライトの運命を決めた
7月のNHLドラフト会議では、長らくこのクラス一番の有望株と目されていたライトが1位指名されるとの予想がありました。
カナディアンズは1位指名の抽選に勝ち、ライトを獲得すると予想されていましたが、別の方向に進み、巨体(身長191センチ、年齢から考えてまだ伸びるかも)のスロバキアのウインガー、ユライ・スラブコフスキー(左ウィング、18歳)をドラフト指名する可能性も出てきたのです。
※ユライ・スラブコフスキー=現在、チーム26試合中21試合に出場し、4ゴール・4アシストを決めている。氷上でコンスタントに10~15分プレイしており、貴重なベンチメンバーとしての地位を築いている。
※NHLのドラフト=ユニークなのは、NBAと同様に採用しているドラフト抽選、即ちロッタリーである。
前シーズンにプレーオフに出場できなかったチーム(トップ10指名)あるいは、前シーズンにプレーオフ進出を逃した他のチームが保有していた指名権を有するチーム間で、ドラフト指名順位を決定するために行われるものである。
毎年の恒例行事となっており、ファンは順位決定のスリルを味わうことができる。
カナディアンズは後者を選択し、ライトはシアトルの4位指名となりました。ライトはドラフト指名された後、記者団に「確かに少し肩の荷が下りたよ、少しモチベーションが上がったかな」と語りました。
ライトはカナディアンズに行くと、思い込んでたはず。
クラーケンという新しいチームで、開拓精神に目覚めたのかもにゃ。
初ゴールまでの苦難の道
火曜日のライトのゴールは、第1ピリオドで同点としたものでした。クラーケンはフォアチェックを行い、ヤニ・グールド(センター、30歳)はネット裏でボールを奪いました。
グールドはそのパック・ポゼッションをオリバー・ビョークストランド(右ウィング、27歳)に渡し、その後、ビョークストランドはネット前にいるライトを視野に入れました。
残り4分30秒、ライトはワンタイマーで(カナディアンズの)ジェイク・アレン(ゴールテンダー、32歳)を突破し、ゴールを決めたのです。
カナディアンズ戦での得点は、18歳のフォワードにとって複雑な1年目のシーズンの新たな1章となりました。クラーケンは勝利を重ねており、レギュラーシーズンの最初の四半期を通して、最大の驚きの一つになりました。
しかし、ほとんどライトのプレー時間はありません。火曜日まで7試合に出場し、1ポイントしか獲得しておらず、1試合平均氷上でプレーしている時間は8分5秒でした。
なかなか試合に出場できないため、クラーケンは最終的に傘下の AHLチーム=コーチェラバレー・ファイヤーバードにライトを派遣し、試合勘や体調等のコンディショニングを行うことになったのです。
※コーチェラバレー・ファイヤーバード=カリフォルニア州サウザンドパームズを本拠地とするプロ・アイスホッケー チーム。2022〜23年のアメリカンホッケーリーグ(AHL)シーズンより参戦した、できたてホヤホヤのチーム。
それまでNHLで1本のシュートしか記録していなかったライトは、5試合で4ゴールを決め、今週初めにクラーケンに復帰しました。
これからが本番だ!
11月5日以来のクラーケンでの試合となったライトは、3本のシュートを放ち、氷上でのプレー時間も11分12秒を獲得しました。
「特にこの7試合は得点できなかったので、得点できると肩の荷が下りるというものだね」とライトは語りました。「この自信をこれからも持ち続けたいね」。
この試合と同じくらいの出場時間をコンスタントに出せれば、
先発定着も夢じゃないにゃ!
まとめ
北米四大スポーツのドラフト制度というのは、日本では想像の付かないシステムとなっていますし、ドラフト自体が「一つのショー」として成立しています。
日本のNPBもドラフト会議を生中継し、指名された選手の家族へインタビューしたりと、少しずつ様変わりしてきてはいますが、まだまだ規模の小ささは否めません。そもそもドラフト上位指名権がチームのスター選手のトレードのカードとして使われるなんて、夢のような話です。
もしライトがカナディアンズに入っていたら、どうなっていたか。ベテラン選手の多いチームなので、いろいろ学ぶことはできたでしょうが、実戦に出るまでに時間がかかったかもしれません。
ある意味、クラーケンという「若いチーム」に入ったことにより、早めに自分の才能を活かせるチャンスを得たと解釈すべきでしょう。今シーズンのプレーオフ出場権争いの頃、ベニアーズとライトの超若手コンビがグイグイとチームを引っ張っているかもしれませんよ。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!