NHLスタンレーカップ決勝進出は、パンサーズとオイラーズに決定!

アイスホッケー名勝負

はじめに

 うーん、ダラス・スターズ、抵抗むなしく、エドモントン・オイラーズの軍門に降ってしまいました。チーム内の足並みがイマイチ揃っていないのは、前回の記事でお知らせした通りですが、結局、それを引きずったまま、目立った打開策もなく敗れてしまった感じです。

 地元・ダラスは、NBAのマーベリックスが決勝進出しているので、NHLもいただいてしまえ!の勢いだったんですがね。とはいえ、「実力あるのに何だか地味めなチーム」がカンファレンス決勝まで勝ち上がって目立ちまくったわけで、その健闘は称賛に値します。

 さて、今回はオイラーズのカップ決勝での対戦相手、フロリダ・パンサーズのここまでの戦いぶりと、惜しくも敗れ去ったニューヨーク・レンジャーズのシーズン・オフを占う記事となっています。パンサーズはどのラインも絶好調です!

讃岐猫
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引用元:Sports.Yahoo.com「NHL playoffs: Panthers knock off Rangers to reach 2nd straight Stanley Cup Final

昨シーズンの雪辱を期す!

 フロリダ・パンサーズは、今度は違った結果を期待しながら、再びスタンレーカップ決勝戦に向かいます。

 2023年の決勝でベガス・ゴールデンナイツに敗れてから1年後、パンサーズはニューヨーク・レンジャースを2-1で破り、イースタン・カンファレンス決勝でプレジデンツ・トロフィー受賞チームを6試合で敗退させました。

 パンサーズは、ダラス・スターズとエドモントン・オイラーズによるウェスタン・カンファレンス決勝の勝者1と対戦します。スタンレーカップ決勝第1戦は、土曜日(6月8日)の夜8時(東部標準時) にフロリダまたはダラスで行われる予定です(ABC、ESPN+)。

 現在、オイラーズはスターズを3勝2敗でリードしており、日曜日にシリーズを締めくくるチャンスがあります。

互角に渡り合ったレンジャーズ、ミスが命取りに…

 パンサーズに先制点をもたらしたのは、サム・ベネットです。彼はレンジャーズのディフェンス、ジェイコブ・トロウバのミスプレーからパックを奪い、やや後ろの位置から来たエバン・ロドリゲスへパックを渡し、その結果、ロドリゲスはアシストを記録することとなりました。

 さらにリプレイしてみると、パックがゴールに届いたのは、ほんの数インチだったと判明しています。

 第3ピリオド中盤、ウラジミール・タラセンコが、アントン・ルンデルとエトゥ・ルオスタリネンのアシストを受けて2点目を挙げました。

 最終的にパンサーズはレンジャーズを(シュート数で)34-22(←公式記録を見ると、レンジャーズのシュート数は24となっているが…)と上回り、より多くの有意義な得点チャンスを得ていたのですが、レンジャーズにもチャンスがなかったわけではありません。

 ただ、パンサーズはルーズ・パックの争いに常に勝ち、セカンド・チャンスのシュートを阻止したため、脅威は1回のシュートで終わることが多かったというだけです(つまり、こぼれ球を拾われ、立て続けにシュートを打たれなかった)。

 レンジャーズは(試合終了まで)残り2分強でゴールキーパーのイゴール・シェスターキンを下げ、残り1分40秒でアルテミ・パナリンのシュートでようやくゴールネットを揺らしました。

 しかし、レンジャーズの得点はそれだけで、数分後、歓喜にわくアメラント・バンク・アリーナ(パンサーズのホーム・アリーナ)を後にすることとなったのです。

第6戦のハイライト映像です!
讃岐猫
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2年連続決勝進出はなかなかできません!

パンサーズがスタンレーカップ決勝に復帰

 パンサーズは2年連続、フランチャイズ史上3度目のスタンレーカップ決勝に進出を果たしました。

 昨年、ゴールデンナイツに敗れた後、フロリダは巻き返し、10勝・勝ち点18ポイントを上積みし(昨シーズンは42勝、92ポイント)、アトランティック・ディビジョンのタイトルを獲得したのです。

 州内のライバルであるタンパベイ・ライトニングを第1ラウンドの5試合で退けた後、パンサーズは、ボストン・ブルーインズとレンジャーズの両チームを破るのに、それぞれ6試合を要しました。

 バランスの取れた攻撃により、パンサーズはフランチャイズ初のスタンレーカップ優勝まであと4勝というところまで来ています。

 活躍したのは、マシュー・トカチュク(19ポイント)、アレクサンダー・バルコフ(17ポイント)、サム・ラインハート(8ゴール)、カーター・フェルハーゲ(9ゴール)といったスター選手たちだけではありません。

 ベネット(6ゴール)とランデル(12ポイント)が前線で貢献し、ディフェンスラインではグスタフ・フォルスリング(4ゴール)とブランドン・モントゥール(9ポイント)が重要な貢献を果たしています。

 ゴールキーパーのセルゲイ・ボブロフスキーは、今シーズンのポスト・シーズンで1完封しており、1点差試合では7勝3敗となっています(ここまで出場17試合全て先発。平均失点率2.20、セーブ率.908)。

 シェスターキンやスターズのゴールキーパー、ジェイク・エッティンガーより目立った活躍はしていませんが、十分に安定したプレーを見せ、攻撃陣からのサポートも十分受けています(チームは17試合で55ゴール)。

 パンサーズはまた、フィジカルなプレーをすることをためらわず、ペナルティ時間(205分)とミスコンダクト・ペナルティ2(8回)でプレーオフ出場全チームのトップに立っています。

レンジャーズ、フリーエージェント選手をどう扱うのか

レンジャーズはこれからどこへ向かうのでしょうか

 レンジャーズがイースタン・カンファレンス決勝で敗退したのは、3シーズン中2度目(21-22シーズンと今シーズン)です。ゼネラル・マネージャーのクリス・ドルーリーは、チームを優勝候補に押し上げるために、資金を投じ、抜け目のない動きをしました。

 今シーズン、レンジャーズは、レギュラーシーズン最高の成績(55勝23敗4延長負け)でプレジデンツ・トロフィーを獲得しましたが、それ以前に同賞を獲得した10チームと同様3、最終目標(スタンレーカップ優勝)に到達しないままオフシーズンを迎えることになります。

 ドゥルーリーにとって、この夏はどんな仕事が待ち受けているのでしょうか。トレード期限までに獲得したアレクサンダー・ウェンバーグとジャック・ロスロビッチは、チームの無制限フリーエージェントとなります。

 また、ベテラン・ウィンガーのブレイク・ウィーラーも同様で、2月、彼は足に重傷を負った後、レギュラー・シーズンの後半戦とプレーオフの最初の2ラウンドのほとんどを欠場しました。

 熱心にプレーするディフェンスマン、ライアン・リングレン、若きブルーライナーのブレーデン・シュナイダー、2019年全体2位指名のカーポ・カコが制限付きフリーエージェントになる予定です。リングレンとカコは調停権を保有しています。

 また、来シーズン終了後に契約満了を迎えるシェスターキンの契約延長も迫っています。28歳のロシア人選手は、ヘンリク・ルンドクヴィストがチームを去った後、ゴールキーパーとしてゴールネットに安定感をもたらしてきました。

讃岐猫
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 また、サラリーキャップの上限が引き上げられたとしても、彼が求める契約期間と金額は、維持または改善が必要な他の分野を妨げる可能性があります。

 キャップ・フレンドリー(各チームのサラリー・キャップ状況を分析するサイト)によれば、レンジャーズは現在1000万ドル強(日本円で約16億円)のサラリーキャップ・スペースを保有しており、2024-25シーズンの上限は8770万ドル(約137億円)と見込まれています。

 レンジャーズのファンはチームが大金を投じるだろうことは知っていますが、攻撃陣のリーダーの何人かは30代半ばに近づいています(チーム在籍45人中15人が30代以上、全員が主力)。

 レンジャーズのチャンスへの窓はまだ開いたままです。今はドルーリーがどのような動きをするかが問題であり、それによって、レンジャーズが優勝候補の座をどれだけ長く保てるかが決定します。

まとめ

 レンジャーズvs.カナックスがカップ決勝の組み合わせと予想した自分としては、「まだまだ勉強足りんな」の心境です^^;。パンサーズはかなり荒いプレーをするチームなんで、それが命取りになるかなとも思ったのですが、補って余りある得点力で押し切りました。

 オイラーズvs.パンサーズの対戦、第7戦までもつれ込むだろな、くらいしか予想できません^^;。それと7試合中、両チームともジャカスカ得点する試合が必ず出てくると思います。どちらも攻撃のカードが多く、決め手だらけなんで、ノーガードの打ち合い試合があるでしょう。

 アウェー・ゲームの戦い方を熟知し、手堅くゲームをコントロールできるオイラーズが一枚上手かもしれませんが、最初のホーム2連戦で、パンサーズが2連勝せずとも、いい形で得点できていたら、残り5試合を一気に持っていきそうな感じもします。

讃岐猫
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【註釈】

  1. 6月2日(日曜、日本時間では翌3日の午前中)、第6戦が行われ、2-1でオイラーズが勝利し、4勝2敗でカンファレンス優勝チームとなった。これにより、6月8日の試合会場はフロリダのホーム・アリーナとなる。
    ↩︎
  2. 興奮した選手を落ち着かせるためのペナルティ。具体的な行為の基準はなく、怒りまくって反則をした選手にマイナーやメジャー・ペナルティとセットで課せられる。

     相手選手や審判に対して文句を言った場合、アンスポーツマンライク・コンダクトを課せられる場合もある。ミスコンダクトを宣告された選手は10分間のボックス行きとなるが、この場合、代理選手が出場しても構わないため、数的不利にならない。

     しかし、マイナーあるいはメジャー・ペナルティと抱き合わせになる場合が多いため、2分間また5分間、やはり数的不利となる。ややこしいのは、ペナルティを犯した選手と代理選手の2人がペナルティ・ボックスに入る点である。

     2分か5分経過後、代理選手が出場して数的不利はなくなるが、ペナルティを犯した選手はそこからさらに10分間ボックスにいなければならない。
    ↩︎
  3. 2012-13シーズンのシカゴ・ブラックホークスを最後に、このトロフィー受賞チームは、なぜかスタンレーカップを掲げていない。レンジャーズは2度目(14-15)。最多はボストン・ブルーインズの3回。 ↩︎
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